こんな方のために書きました
- 小説「聖女の救済」を読んだ
- ガリレオシリーズが好き
- あらすじを知りたい
福山雅治さん主演でドラマ化・映画化された人気シリーズ「ガリレオ」。その原作小説で5番目の作品「聖女の救済」を読みました。
まず感想を言わせていただくと、ベースは男女のドロドロした話でありきたりですが、トリックがすごい。犯人の逆の発想とそれに苦戦する湯川先生がかなり良かったです。
後半になってやっとわかるタイトルの意味。わかった時は「なるほど〜」とびっくりです。
今回は「聖女の救済」のあらすじとレビュー感想をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
好きなテキスト
読みやすさ
衝撃度
トリック
オススメ度
聖女の救済 あらすじ
資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。
Amazon内容紹介より引用
ネタバレありの感想
ガリレオが「完全犯罪」と認めたトリック。ここが1番の見どころでした。
その理由が「理論的にはありえても、現実的には考えられない」から。それを虚数解といいます。もちろんこんな言葉はこの小説読むまで聞いたこともありませんでした。
調べてみると、こちらは二次方程式の答えの一つらしく、その答えが虚数だった場合に「虚数解」ということになるそうです。なるほどなるほど、全然わかりませんね。
簡単にいうと、現実には存在しない数。今回のトリックはつまりそうゆうトリックだった、ということですね。何せ「1年間殺さないように守りまくる」という通常のミステリーとは逆の発想。自分で罠を仕掛けておきながら、相手を殺さないようにする、という確かにありえない話です。
そんなあり得ない状況なのに、それの違和感がないストーリーを作り上げた東野圭吾さん。さすがですね。のめり込んで本当に一気読みでした。
そして自己中すぎる殺された旦那。この手の小説の男って嫌な奴が多いのですが、そうゆうやつに限ってモテますよね。モテるから調子に乗って嫌なやつになってしまうのか?何にしてもイラっとする男でした。
たった一度の人生ですから自分の気持ちに素直になって生きることは決して間違ってないと思いますが…それでもやはり「女性を自分の子供産んでもらうための物」という風に考えてるのは許せないですよね。まあ相手がそれを公言して、それでもOKと言って結婚した綾音さんにも責任はあると思いますが…
同じ男として『お前は愛というものを知らんのか』と説教したくなる男でした。
ただ、そんな奴だからこそ今回の犯人の計画はうまくいったのでしょう。もっと奥さんのことを考えてるやつなら、いくら奥さんがキッチンに入らないように見張っていようと、時々浄水器を使う機会があったでしょうから。『今日サプライズでカレー作ったよ』なんて。
そして、そんな愛のない男だったから、というのも含めて草薙刑事は肩入れしてしまったのでしょう。今回の犯人である綾音さん。もちろん彼女が美人ってことも大いにあると思いますが。
今回草薙刑事が持っていた彼女の如雨露(ジョウロ)が最終的に逮捕の決定打となりましたが、あれを捨てたと伝えるシーン。ちょっとおかしいな、と思いませんでしたか?捜査云々抜きにしても、人様の家のものを勝手に捨てるなんてかなり非常識です。
草薙刑事は「何が役立つかわからないから無闇に捨てたりしない」と言っていましたが、私も湯川先生と同じく「何かの思い出」に取っておいたのかなぁと思いました。じゃなかったら別に家に置いておけばいいはずですからね。
まとめ
今回は小説「聖女の救済」の感想をネタバレありで紹介しました。
- 湯川に完全犯罪と言わせるトリック
- 草薙刑事の淡い恋
トリックのすごさをお伝えしましたが、それよりも「そのトリックをやり通した犯人の執念」にびっくりですね。やっぱり夫婦円満が1番です。
他にも東野圭吾さんの小説の感想や、おすすめシリーズ紹介などを書いています。お時間ある方はぜひご覧ください。
ガリレオシリーズ 読書感想文