こんな方々のために書きました
- 小説「暗黒館の殺人」の(二)まで読んだ
- 全部読んだけど他人の考察は気になる
- (二)の内容をおさらいしたい
館シリーズの中でも最長を誇る7つ目の作品「暗黒館の殺人」。その2冊目を読みました。
せっかく本が分かれているので、考察を踏まえて謎解きをしていこうと思います。なお前巻に関しては以下をご覧ください。
https://deradesu.com/ankokukan1-kousatsu/
ということで今回は、起承転結でいえば承。二冊目でさらに明らかになった部分をまとめ、考えてみたいと思います。
暗黒館の殺人(二) あらすじ
食したまえ、この肉を…浦登家の面面が唱和する。〈ダリアの宴〉に参加した中也の身には何が?激しい嵐で外界と途絶された中で、ついに勃発する不可解な連続殺人。その被害者は?その犯人は?その動機とは?…謎は複雑怪奇に絡み合い、暗黒館の闇とともに、ひたすら深まりゆく。
Amazon 内容より引用
登場人物の家系図
暗黒館の殺人では登場人物が多く複雑なのが特徴です。
前回に引き続き、本の中から浦登家の家系図をお借りしました。
(一)で気になった点
暗黒館の殺人(一)で気になった点は3つ。それらに対して二冊目ではどれほど明らかになったのでしょうか?
謎の声の正体は?
二冊目が終わった時点で、未だ声の正体はわかっていません。
しかしその声が近くの村に住む市朗にも聞こえたように表記されていました。
これによって前回予想した【江南くんと中也くんは兄弟だったのではないか?】というのはハズレでした…
しかし、だからといって何の関係もないわけではありません。今後も要チェックです。
小説「孤島の鬼」の影響?
小説の特徴から、江戸川乱歩の小説「孤島の鬼」の影響を受けているのでは?ということは同じ事が行われているのでは?と予想しました。
しかし、よくよく考えるとそれは安易すぎる気がします。同じことをしてしまったらパクリと言われてもおかしくないですしね。
となると、それを予期して逆のパターンは考えられないでしょうか?
それは【美鳥と美魚の2人は、実はシャム双生児ではない】ということ。
じゃあなぜシャム双生児のふりをしているか?と言われると何とも言えません。そして何より2人が出産されるときに立ち会っていた野口先生も嘘をついていることに…
いや、孤島の鬼と逆なのであれば【シャム双生児として生まれたが、実はすでに分離手術を受けている】ということでしょうか?
つまり彼女たちはフリをしているだけ?
ダリアの宴で食べたものは?
中也くんがダリアの宴に参加した際、そこで出てきた謎のスープ。その肉を登場していない「首藤利吉」の人肉ではないか?と予想しました。
しかし二冊目の最後に中也くんがムカデを大量に目撃します。しかしそのムカデに関しては中也くんが言ったことで、市朗も玄児もムカデに関しては何も言っていません。
このシーンを見るに、中也くんは幻覚を見ていた可能性があります。覚せい剤の症状には「虫がはい回るような感覚に襲われる」という話もよく聞きます。
ということは、ダリアの宴のスープには「覚せい剤」が入っていたのではないでしょうか?
スープに入った肉に注意を向けていましたが、実はスープ自体がすでに問題があった可能性があります。
(二)で気になった点
美鳥と美魚の言葉の意味は?
美鳥と美魚、2人発する成功、失敗、特別という言葉。この言葉の意味がまったく分かりません。
これに関して、以前2人の飼っていた猫が標本にされました。これが関連しているかもしれません。
つまり【標本できたものは成功。できなかったものは失敗。】と判断し言葉にしていること。
そして「特別」というのはそれ以外。標本にするのに成功したわけでも失敗したわけでもない…ってことは…
なぜ伊佐夫は蚯蚓(ミミズ)?
同じく美鳥と美魚の2人に関して。彼女らはなぜか他の人たちを植物や動物に例えます。
それと時に見た目で判断する場合もあれば、その人の特徴を見て例えることもあります。
例を挙げるとしたら、早老病の清はお猿さん。これは見た目で判断したのでしょう。そして母親に対しては仙人掌(サボテン)。これは母親の特徴から付けたようです。
そんな中、首藤利吉の息子「伊佐夫」は蚯蚓(ミミズ)。
まさか見た目がミミズのような感じなのでしょうか。だとしたら怖すぎます。近寄らないでほしい。なのできっと違います。特徴から付けたのだと思います。
ミミズの特徴を調べてみました。するとある特徴がわかりました。
目がなく、手足もない紐状の動物である。名称は「目見えず」からメメズになり、転じてミミズになったとも言われ、西日本にはメメズと呼ぶ地域がある。
「ミミズ」『ウィキペディア日本語版』
目がない、という部分を特徴として呼んでいるのではないでしょうか?
首藤伊佐夫には目があるので比喩的な捉え方として「彼には見えていない」ということだと思います。
見えてないもの。それは浦登家の本質、ということでしょうか…?
まとめ
小説「時計館の殺人」の(二)を読んで気になった点の考察をしてみました。
まだ折り返し地点ということで、全容は全く明らかになっていませんが、全体的に徐々に加速してきたようです。
はたして今回考えた結果はいかに?是非三冊目の考察もご覧ください。
「暗黒館の殺人(三)」へ続く
前巻「暗黒館の殺人(一)」はこちら
https://deradesu.com/ankokukan1-kousatsu/