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小説『AX-アックス』感想|最後に行き着くのは魚肉ソーセージ←わかる

小説『AX-アックス』感想|最後に行き着くのは魚肉ソーセージ←わかる
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魚肉ソーセージ、食べてますか?

「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く【殺し屋シリーズ】の3作目ですが…

殺し屋シリーズっていうより恐妻家シリーズです。

伊坂幸太郎さんの「AX アックス」を読みましたが、「殺し屋シリーズ」という名前にしては内容はショボいです。

しかしここに「恐妻家」という設定が加わり、かなり興味深い作品となっていました。

この小説の一番の評価ポイントは「魚肉ソーセージ」です。




『AX-アックス』感想

「最後に行き着くのは、魚肉ソーセージだ」

この小説のすごさを語るとしたら、私はここだと思います。

Amazonの本の紹介ページにはこんなことが書いてありました。

★2018年 本屋大賞 ノミネート!

★第6回静岡書店大賞(小説部門) 大賞受賞!

★フタバベストセレクション2017(フタバ図書) 第1位!

静岡書店がどのくらいの規模の本屋さんなのか知りませんが、様々な賞を受賞した評価の高い小説ということですね。

しかし。

この「AX アックス」、殺し屋シリーズと言われてますが【ころし】にあまり重きを置いていません。

殺しのシーンだってさらっと書かれているだけですし、起きる事件も「家の木に出来たハチの巣を駆除する」というような、日常の出来事です。

それよりも主人公の殺し屋「兜」の奥さんに対するビビり様、恐妻家の一面を前面に出しています。

つまりこの本が評価された理由は、ここ。

恐妻家である兜の魅力が、数々の賞を受賞した理由なんです。

そしてその兜の恐妻ぶりを一番うまく発揮しているのがそう。

「時々、深夜のコンビニで、いかにも俺と同じような、仕事帰りの父親が、おにぎりやらバナナを買っていこうとするけれどな、それを見るといつも、まだまだだな、と感じずにはいられないんだ」兜は続ける。「最後に行き着くのは、魚肉ソーセージだ」
引用:伊坂幸太郎『AX アックス』KADOKAWA

魚肉ソーセージなんです。

魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージのすごさに気づいている人はあまりいないと思います。

率先して買うようなものでもないですし、加工品をなるべく控えている意識高い人からしたら、魚肉ソーセージなんてスーパー加工品ですからね。

あとはあの形もありますよね。

形的に卑猥ですからね。しかも食べる前に「ビニールを剥く」っていう行為も必要になってきますからね。

スーパー卑猥ですからね。

家でひとりで食べるならともかく、人前でちょっと食べにくいので、なかなか魚肉ソーセージを全面に「おすすめ」という人は少ないです。

しかし兜の言う通り、魚肉ソーセージは素晴らしい。

なにせ会社の引き出しの中には魚肉ソーセージが常に8本はストックされていますから。

ということで、魚肉ソーセージの良さを語っていきたいと思います。

音がしない

兜も魚肉ソーセージのメリットとして、この「音がしない」というポイントを上げていました。

オフィスで働いている方ならわかると思うのですが…オフィスで何かを食べてる音って気になるんですよ。

「OLに人気のおやつランキング」で上位に「おせんべい」が入っているの、見たことないじゃないですか。理由はきっとこの【音】。

そんな時にちょうどいいのが魚肉ソーセージ。

ビニールを剥くときの音もなく、咀嚼音も出にくい。

通称「ステルス食い」をすることができます。

以前私も魚肉ソーセージを食べてる時に隣の人に話しかけられ、

『5時からのミーティングのパワポ、ってソーセージ!』

と驚かせたことがあります。これがステルス食いです。

カルシウムが豊富

魚由来のタンパク質が摂れるし、脂質が少なくてヘルシー。

そしてなにより「カルシウムが豊富」だそうです。

今食べている魚肉ソーセージのパッケージには【牛乳の8倍のカルシウム配合】と書かれています。

保存性が高い

これも兜が魚肉ソーセージのメリットとして挙げていました。日持ちするんですよね。

しかも炎天下とかでなければ常温でもある程度もちます。

冷蔵庫いらずで、いつでも食べられるっていうのは強いメリットです。

量がちょうどいい

仕事中、不意におなかが減る時間って…意外とマチマチじゃないですか?

忙しければ腹も減る暇なく1日が終わりますが…

ちょっと仕事が暇でやることが無かったりすると、4時半ぐらいにおなか減りだしたりするんですよ。

退勤まではまだ時間があるけど、チョコやグミでは量的に満足できないし、食べ過ぎたら太る…

そんな時にちょうどいいのが魚肉ソーセージ。

1本あたり大体70グラム。小腹を満たすにはもってこいの量です。

どこか懐かしくて、優しい味

そして一番はこの「懐かしさ」。

魚肉ソーセージって子供の頃から見ている気がしますが、あのオレンジ色のビニールといい、ソーセージを止めている銀色のやつといい、何も変わってないですよね。

子供の頃おやつで食べた人もいるでしょうし、おばあちゃんの家に行くと毎回もらえたって人もいるでしょう。

あの価格帯と、変わらない見た目と味。“庶民の安心感”として思い出させてくれます。

高級ソーセージもうまいんですが、魚肉ソーセージが食いたいんですよ、私は。

魚肉ソーセージをよく食べている人もそうでない人も。

たまには魚肉ソーセージを食べて、優しかった懐かしいあの時代を思い出してみませんか…?

ってこれなんの感想文?


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