2024年の12月からの読書記録です。
ネタバレなしですので、次に読む本を探している方の参考になれば幸いです。
方舟:夕木 春央
「週刊文春ミステリーベスト10」と「MRC大賞2022」を獲得した2022年のキング。
会社で『ミステリ好きなんですよ~』というと『じゃあ「方舟」読みました?』と言われ続け、『読んでない』と答えると「このニワカミステリファンが」という下げ澄んだ目で見られ続け約2年。
ようやく手に取りましたが…なるほど、あの下げ澄んだ目の意味も分かりました。
地下に広がる隠し建築内にて、たまたま閉じ込められた若者たちと謎の家族。
時間がたつにつれ、地下から水が浸水し全員が死んでしまう事態に陥ります…助かるには「誰か一人が死なないといけない」という選択をしないといけなくなります。
それだけでも十分地獄なのに、なぜか殺人事件が起きてしまい、命を狙われるかもしれないという不安と恐怖もマシマシ追加トッピング。
俺なら吐いてます。
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
Googleブックスより引用
しあわせの書:泡坂妻夫
いや、これマジっすか凄すぎる。
会社のミステリ好きの先輩に…
『死ぬまでにこれだけは読んどけって本ありますか?!』
と聞いたところ、紹介されたのがこれでした。プレゼントしてくれました。
内容はあえて伏せます。前情報はあらすじだけのほうがいいです。
とにかくちょっと気になったら今すぐポチっとしたほうがいいです。
本自体も薄めで、長い本が苦手な方にも読みやすくおすすめなので。
この『しあわせの書』って本は…何というかベクトルが違う。この本のすごさに気づいたときは鳥肌立ちました。
そしてすぐさま社内チャットで先輩に感想を送りました。
その時の俺のタイピングはものすごかったです。興奮しすぎてキーボードぶち壊しました。
二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだー。
楽天ブックスより引用
ジェリーフィッシュは凍らない:市川憂人
『しあわせの書』を紹介してくれた先輩からのオススメ第二弾。
こちらも第26回鮎川哲也賞を受賞した、ということで作品の存在と評判は聞いていました。ようやく読めました。
ジェリーフィッシュとは日本語で『クラゲ』。
見てる分にはキレイなんですが、海とかで刺されたらめちゃくちゃテンション下がるアレです。
そんなクラゲのような見た目の小型飛行船が雪山に不時着します。山奥の雪山ということで誰も脱出できない閉ざされた空間に。
後日6人の乗客員が全員死んでいるのが発見されますが…なんと全員が他殺。
雪山から脱出することなんて不可能だった状況から「犯人はどうやって脱出したのか」「そもそも犯人なんていたのか」という謎へ。
読んだ感想としては・・・
色々言いたいことあります。結構あります。
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者のファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が。
Googleブックスより引用
倒錯のロンド:折原一
いやーボコボコにされました。
作者の「読者を騙してやろう」という強烈なパンチが飛んでくる傑作。
ストーリーが後半に行くにつれ、そのパンチがラッシュとなり、騙されすぎてボコボコにされました。
セコンドがいたらタオル投げてましたね。
小説を書いた原作者と、その小説をたまたま見つけ盗作した盗作者。
二人の駆け引きと、それに振り回される人たち。そして盗作の真相。
『騙されてたまるか!』という気持ちで読んでも無理でしょうね。なんせボコボコにされましたから。
セコンドがいたらタオルを箱ごと投げてたでしょうね。
テンポもよく、ミステリらしいダークな部分もあり、人におすすめしたくなる作品です。
この本は考察もしたくなりますね。
精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた!? ──その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。
Googleブックスより引用
出版禁止 ろろるの村滞在記:長江俊和
このシリーズ、狂うぐらい好きです。
登場人物も狂っている人が多いシリーズなんで、こっちも狂いそうになるんですが、その価値があるほどのおもしろさ。
ずっと変な感じがしてるのに、何が変なのかはわからない。でも最後にわかる。でも肝心なところはわからない。もう一回読む。わからないからもう一回読む。やっとわかる。白目むいてぶっ倒れる。
これがこのシリーズのルーティーンです。
読んだ後の考察が楽しくてしょうがないんです、だから何度も読みたくなる。
内容は基本ダークなので、万人にはおススメしずらいんですが・・・ドキュメンタリー風のミステリが好きな人には問答無用で読んでほしいですね。
そして一緒に白目むいてぶっ倒れたいです。
奈良県辺境のある奥深い山間部に、村はあった。心に深い傷を負い、積年の恨みを抱えた人々が最後に辿りつく「すくいの村」。だがそこには呪いで人を殺すという根強い噂が。二〇〇八年、近隣の廃村で陰惨な死体遺棄事件が発生。遺体は山奥の湖畔で、切断され樹木に釘で打ち付けられていた……。
新潮社 書籍詳細より引用
写楽殺人事件:高橋克彦
とにかく「なげぇ」です。浮世絵の説明が。
「写楽とはいったい誰だったのか?」の探すパートと、「浮世絵界隈の大物が死んだ」って事件パートがあるんですが、探すパートがとにかく難しい。江戸のこととかよくわからなくて理解できない。
江戸川乱歩賞を受賞したってことで、トリックなどは「おお」と思いましたが、ミステリ小説としてはよくわからなかったです。
『写楽とか誰でもいいから、誰か殺されてくれ!』と声が出そうになった小説でした。
活動期間わずか10ヵ月、残した浮世絵は約150点。江戸中期に彗星のごとく現れ消えた謎の天才絵師・東洲斎写楽は、何者だったのか。大学助手の津田はある画集と出会ったことで写楽の正体に肉迫する。その一方で、浮世絵研究界では連続殺人が起きていてーー。
Amazon内容紹介より引用
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