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小説『眼球堂の殺人』であの謎に気づけた理由がこちら|感想

ブックレビュー読書感想文
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シャーロック・ホームズ、金田一耕助、名探偵コナン…

世の中にはとんでもない探偵がいますよね。

普通の人の何歩も先を行き、あっという間に真実という糸を手繰り寄せる名探偵が。

今回読んだ周木律さんの小説『眼球堂の殺人』にも名探偵と呼べるほどの天才が登場しました。

しかし。

この『眼球堂の殺人』において、

本当の名探偵は俺でした。


『眼球堂の殺人』ネタバレありで感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

真実はいつもひとつ!

って叫びそうになりましたね。

この小説最大の謎でもあるどんでん返しが分かったときは。

その謎とは【陸奥藍子=善知鳥神】だったということです。

もう本の半分に達する前にはすでに気づいてました。

本当です、信じてください。

・・・と言っても真実味がありませんので、彼女の秘密に気づいた理由をお聞きください。

気づいた理由:黒石先生のセリフ

それは、串刺しにされた驫木先生が発見された日の後、政治家の黒石先生が藍子の部屋を訪れたシーン。

黒石先生は『南部先生が犯人だと思う』と藍子に言います。

しかし藍子は『なぜそれを自分なんかに言うのか?』と黒石先生に聞きます。すると・・・

「・・・俺に似ていて、切れる。おそらくは今ここにいる面子の中で、最もな」

この黒石という男は──鋭い。
周木律『眼球堂の殺人』より引用

ここで気づきました。

なぜならここまでで「藍子が切れる」、つまり頭が良さそうな描写がなかったんですよ。

十和田という天才の横にいるのでどうしても「一般人っぽさ」が強調されてしまうのは仕方がないとしても、切れると思える発言はない。

それなのに「今ここにいる面子の中で、最も頭がいい」と言われて『鋭い』、とか言ってしまうのでピンと来たわけです。

否定しないんかい、と。

さらに言えば、ここまで「善知鳥神」が登場していない、というのもヒントでした。

もう本が4割ほど終わっているのに登場しないなんて、【実は私が善知鳥神でした】パターンしかないかと。

気づいた理由:善知鳥神という名前

まず、『そんな名前の奴がいるか』というツッコミが心の中にあったんですね。登場人物紹介のときにすでに。

もちろん芸名的なことも考えられますし、「驫木先生の娘」と書かれていながら苗字が違うので、訳アリとは思いましたが…

そうなると、善知鳥神という名前に「無理やり作った感」を感じてきます。文字の美しさから「当て字かな?」とも感じます。

そうなると可能性は1つ・・・アナグラムです。

ミステリ小説には結構登場します、アナグラム。

文字を入れ替えて別の名前にしたり、意味を変えたりする手法ですね。

名探偵コナンでも怪盗キッドが登場した際、「土井塔克樹」という名前で登場していましたしね。

怪盗キッド=土井塔克樹
かいとうきっど=どいとうかつき

「うとうかみ」ひらがなだと文字数が少ないので別の意味にしにくい。

じゃあローマ字ならどうか…

「utou kami」

陸奥藍子は「mutu aiko」

あれ?これパッと見で見ると・・・ちょっと待ってまさか・・・

真実はいつもひとつ!

電車内で叫びそうになりました。危なかったです。


ただまあ私が名探偵になれたのはこの一瞬で、あとは全然わかりませんでした。

眼球堂が回ってしまうのも、眼球堂に水が貯まるのも、十和田先生の「ひょこひょこした歩き方」がどんな感じなのかも…

この『眼球堂の殺人』から始まる通称「堂シリーズ」は5作続くシリーズだそう。

今後も十和田先生は登場してくれるのでしょうか?

今後が楽しみなシリーズです。


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