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【ネタバレ感想】葉桜の季節に君を想うということのレビュー|小説

ブックレビュー読書感想文
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このページに書いてあること

歌野晶午さんの作品「葉桜の季節に君を想うということ」のあらすじと、読んだ感想・レビューです。

どんでん返しがすごい!という評価で2004年のあらゆるミステリーの賞を総なめ。

さらにSMAPの元メンバーである中居正広さんがオススメの一冊にあげたことで注目を浴びた小説、それが、

「葉桜の季節に君を想うということ」

この本のどんなところがおすすめ?と聞かれたら、言えることはただ一つ。

『いいから読め、読めばわかる』

でらの評価
読みやすさ (4.0)
気持ち悪さ (3.5)
どんでん返し (10.0)
おすすめ度 (4.5)

 

葉桜の季節に君を想うということ あらすじ

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。
出典:Amazon内容より抜粋

ネタバレありで感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

とにかくキヨシがズル過ぎる。

このキャラのおかげで驚き度は100点満点になります。こいつが全ての元凶。全ての世界をひっくり返すスケベ高校生。

一番重要なネタバレをすると「20代の若者たちの話かと思いきや、実はおじいちゃんおばあちゃんたちの話」だったということ。

「いや、話し方や行動でわかるだろ!」と言われてもわからないからすごいんです。

しかもそれを読み始めてすぐの十数ページ目に仕掛けられた「たった2文」でほぼ全員の読者が別の世界の扉を開けてしまうのです。

それがコチラ。

キヨシこと芹澤清が俺のことを先輩と呼ぶのは、たんに俺が七つ歳上であるからではない。やつは今現在都立青山高校の生徒で、俺は同校のOBなのだった。
出典:歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」より

誰がどう読んでも、語り手(主人公)はキヨシの7つ歳上。そしてキヨシは高校生。

ということは主人公は大体23〜25歳ぐらいだな、と頭にうかびますね。というかこれ以外ないです。

このたった2つの文章のせいで、読者の頭の中では「若者たちが様々なことを繰り広げる小説」と認識されます。残りの400ページ強を。

小説「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午ネタバレ感想

しかもキヨシがアダルトビデオを借りられない小心者という情報や、主人公が冒頭からセックスをしているなど、より若者として違和感のない出来事が書かれています。

アダルトビデオを借りに行くのが恥ずかしい、というのは男子高校生が通った青春の道です。

そしてそんな読者たちを一気にひっくり返した衝撃の一行。

「俺の名前って、成瀬って…。あなたは安藤でしょう、安藤士郎」
出典:歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」より

脳が停止しましたね。この一言を読んだときは。

混乱し一種の錯乱状態に陥った瞬間でした。その後すぐに読み返し、さくらが主人公のことを名前で呼んでいた箇所がないか調べたほどです。

案の定そんなシーンはなく、さくらは主人公を「士郎」だと思っていたんですね。

この小説は「気持ち悪い」

他の方の感想を拝見すると、どんでん返しの面白さの他に目立つ感想が書かれています。それが・・・

「気持ち悪い」

インターネットの検索でもこの本のタイトルで検索しようとすると、予測入力に【気持ち悪い】と表示されるほどです。

他の方の「気持ち悪い」と感じた理由が、

『おじいさんのセックスのシーンなどが気持ち悪い』

『主人公とさくらがいい歳して好きだの言っててちょっと引く』

という内容でした。

やめてよ。そんなこと言わないでよ。

ただ麻宮さくらに対しては、全て明らかになった後も不快感を拭えませんでした。それに関しては確かに気持ち悪い。

計画通りといかず結果的に成瀬将虎を好きになってしまったさくら。しかし嵌めるために裏では暗殺計画を進めている…

今回将虎がさくらの本性に気づかなかったら、きっと殺されていたと思います。

彼女の立場や精神状態など、もちろん普通の人間には想像もできないぐらい追い詰められていたと思います。

小説では悪徳業者との結末については書かれていないため、全ては想像止まりです。

でもそう簡単に変われないのが人間。

「葉桜の季節に君を想うということ」はkindleでも読めます

歌野晶午さんの作品「葉桜の季節に君を想うということ」は電子書籍でも読めます。

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もちろん紙の本派の方にもおすすめです。

おすすめできる本ですので、ぜひ読んでみてくださいね。

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