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【ネタバレ感想】感染遊戯のレビュー|小説

ブックレビュー読書感想文
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このページに書いてあること

竹内結子さんによって実写化された「姫川玲子シリーズ」。その原作となる小説の第5弾となる「感染遊戯 (光文社文庫)」を読んだ読書感想文です。

竹内結子さんや二階堂ふみさんらによって映画化やドラマ化された「姫川玲子シリーズ」。

今回の主人公は姫川玲子ではなく、あの名物キャラクター「ガンテツ」。そして過去の小説のキーパーソンも登場しました。

まず感想を言わせていただくと、

衝撃度なんかでいったらあまり高くはなかったです。ただ作品としてはおもしろい、そんな小説でした。

玲子が主役じゃない姫川玲子シリーズ。しかしシリーズが好きな方は必読です。

でらの評価
おもしろさ (3.5)
読みやすさ (2.5)
衝撃度 (2.5)
おすすめ度 (3.0)

感染遊戯 あらすじ

会社役員刺殺事件を追う姫川玲子に、ガンテツこと勝俣警部補が十五年前の事件を語り始める。刺された会社役員は薬害を蔓延させた元厚生官僚で、その息子もかつて殺害されていたというのだ。さらに、元刑事の倉田と姫川の元部下・葉山が関わった事案も、被害者は官僚―。バラバラに見えた事件が一つに繋がるとき、戦慄の真相が立ち現れる!
出典:アマゾン 内容紹介より

姫川玲子シリーズ初のスピンオフ作品。玲子は登場しますが、事件を追うのは別の刑事たちです。

この作品を読む前に、これまでの姫川玲子シリーズ全作品を読んでおくことをおすすめします。

ネタバレありの感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

くそッ、ガンテツを好きになってしまう…!

今回の主人公ともいえる勝俣警部補、通称ガンテツ。

私は彼が初めて登場した姫川玲子シリーズの最初の作品「ストロベリーナイト」でとても嫌いになりました。

実際に感想記事にも書きました。

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きっと今後どんなことがあろうと、「彼のことは好きにならないだろう」という堅い意志の芯が私の中にありましたが…

しかし今回、新たな一面が見えてしまい、その芯が揺れました。そして倒れました。

気づいてしまったんですね。「きっとガンテツは玲子に憧れているのだろう」と。これはいわゆる好きな子をいじめっ子がイジメる「小二理論」です。これは勝手に私が今付けた名前です。

ただガンテツの憧れは男女としての好きではなく、玲子の持つ刑事としてのひらめきの部分という意味です。

ガンテツは悪い方法を使っても手柄を取ろうとします。

これはもちろん玲子とは違いますが、2人に共通するのは事件を解決すること。

刑事としてのガンテツの手持ちの中に「ひらめき」というのはないのだと思います。もちろん刑事の勘はありますし、優秀なのですが、玲子のようなひらめきはない。

だからこそ彼女に憧れているのだと思います。

でもやっぱりそれを直接口にできるキャラじゃないし、年齢も刑事歴も違いますからね。だからこそあんな態度を取ってしまう。

現に今回の本の最後のシーンで、2日間休みが欲しいとボヤいていたくせに玲子から電話貰ったらやる気満々になっていますからね。

なんだこのおじさん、かわいいじゃねぇか…

小説全体でいうと、いつもの姫川玲子シリーズと違い、かなり男くさい作品でしたね。読み終わった後はそこまで熱くなりませんでした。

が、再度一通り読み返してみると、これはおもしろかったな、と。

色々推理小説を読んだり映画やドラマを見たりしますが、今回の犯行の手口は新しかったです。

自分の殺意を他人に感染させて、自分は手を汚さず他の人に行わせる。

確かにこれができれば完全犯罪になりそうです。もちろんこれを行うには以下のような条件がそろってないとできませんが。

  • 殺意が感染する可能性がある。
  • 母数が多い。
  • 直接的な関りがない。

などなど。

確かに情報を見たからといって『じゃあ手を下してやろう』と思う人の割合は少ないと思います。

しかし、人数が多ければその可能性も多くなるわけで…

一億人の国民に訴えれば、仮に0.0001%の人に殺意を少しでも感染できればそれだけで1000人ですからね。

そうゆう意味では今回の犯人は天才ですね。結果として犯人が自分の情報を出し、誰でも受け入れる姿勢を取ったので決着しましたが、あのままサイトの更新も止めてしまったら警察でさえもそれ以上突っ込めなかったと思います。

ただこれってよく考えると、やっていることはマスメディアと違いはないですよね。

現に週刊誌など「〇〇がゲス不倫した!」→炎上、という流れが最近定番化してきていますし、言葉の攻撃が実際に命を奪うこともあります。

そう考えると、簡単に情報が行きわたってしまう現代はかなり恐ろしい危険性を含んでいるな、と感じました。

まあでも、不倫は良くないですよ。

読みづらい点

今回はちょっとだけ特殊な構成です。短編が3つあり、それが最後に1つの中編に合わさるような作り。

さらにそのうちの1つは姫川玲子シリーズ第3弾の「シンメトリー」にも少し関わってくるので、シンメトリーを読んだ人は過去の記憶を思い出しながら読んだと思います。

実際読んでなくても話自体は分かりますが、面白みは変わってきますからね。

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また今回は比較的登場人物が多く感じました。話が分かれている分細かい事件が多く、そのため被疑者と被害者も複数。さらに彼らの印象も薄く、混乱しやすかったと思います。

現に私は混乱しました。

まとめ

今回は小説「感染遊戯」の感想をネタバレありで紹介しました。

初のスピンオフということもあり、姫川玲子シリーズのファンには非常に楽しめた作品だったと思います。ガンテツ・葉山・倉田というチョイスも見事です。

他の姫川玲子シリーズの感想などをネタバレありでご紹介しています。お時間ある方は是非ご覧ください。

姫川玲子シリーズ 読書感想文はこちら

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