このページに書いてあること
小説「万能鑑定士Qの事件簿 I」のあらすじと、読んだ正直な感想です。
松岡 圭祐さんの著書である推理小説【万能鑑定士Qの事件簿】を読みました。
この小説は「Qシリーズ」とよばれ、他にも多くの本がシリーズとして出版されています。
感想としては、ハラハラドキドキはしないけど、凛田莉子のことをもっと知りたくなる小説ですね。
漫画化や映画化された「Qシリーズ」の第一作目ということもあり、全体から見てまだまだ序盤と感じました。
ここからはネタバレを含んだ私の感想をご紹介します。
でらの評価 | |
---|---|
ハラハラ度 | (2.0) |
読みやすさ | (4.0) |
おもしろさ | (3.0) |
おすすめ度 | (3.0) |
万能鑑定士Qの事件簿 I あらすじ
東京23区を侵食していく不気味な”力士シール”。誰が、何のために貼ったのか?謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凛田莉子、23歳――瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。信じられないほどの天然キャラで劣等生だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える!
出典:角川書店 作品内容より
ネタバレありで感想
ズルいですね。凛田莉子さん、ズルいです。
Qシリーズ1作目ということもあり、頭脳派ヒロイン「凛田莉子」の登場がメインでした。
具体的には週刊誌記者の小笠原が莉子に鑑定を依頼し、彼女が事件を解決しようとする話と、莉子が万能鑑定士になるまでの経緯が書かれていました。
とんでもない頭脳を持った莉子ですが、高校時代かなり天然で全く勉強できない女の子。
あるきっかけで才能を開花させ、ものすごい観察眼と知識で難事件を解決していきます。
そんなストーリーは自体はおもしろいです。
また所々に登場する様々な知識や情報。これは勉強にもなりますし、読んでいて『へぇ~』が止まらなくなるほどの知識量は感心してしまいます。
ただ、ただですね。
凛田莉子さん、ちょっと頭良すぎじゃないですかね。
彼女の場合、頭が良いというより「知識力が豊富すぎる」「記憶力が良すぎる」というほうが近いと思いますが、なんにせよ無理を感じてしまいました。
彼女の設定として、例えば【鑑定に関してのみ超一級の知識を持っている】というのであれば納得はできます。
しかし本の中ではそれ以外のこともよく知っています…「輸入で引っかかるバナナの色」や「販売されたペンの形」など、鑑定とは関係ないような知識です。
彼女がそれを知っている理由が『本を読んだことあるから』。。
事件解決に至った「音」に関してもそうでした。普通に考えてあんな知識は専門家でないと知り得ないでしょう。
しかし彼女は知っているのです。その理由は・・・
『本を読んだことあるから』
かなり冷めました。正直言って。
やはり読んでいるほうはドキドキしたいんです。些細なきっかけから、
『音っていうのはこんな特徴が!』→『な、なるほど!ってことは…まさか…!(ドーン!)』
というようなドキドキ体験をしたいんです。
どれもが「本で書いてあった」という流れだとドキドキ体験がありませんでした。
残念ついでなりますが、 もうひとりのメインキャラともいえる週刊誌記者の小笠原。
必要あります?このキャラ。
そもそもどんなキャラにしたかったのでしょうか。「全然仕事ができないダメなやつ」というわけではないですし、かといって「記者として特化したものを持っているか」と言われるとそうでもありません。
女性に対しても慣れているのか奥手なのかはっきりしません。
一言でまとめれば「中途半端」でした。
なお、凛田莉子のキャラクター設定はとても魅力的に感じました。
見た目の良さや感受性が豊かなところ、心の芯が優しい人というのはよく伝わってきました。
事件解決までの方法や導き方は好きになれませんでしたが、凛田莉子についてはもっと読んでみたくなりましたね。
特に昔の天然なところは素直にかわいいと思いましたし、それでいて猫のように大きくつぶらな瞳でモデルのようなスタイル。別の意味でもズルいですね。
凛田莉子さん、ズルいです。
読んでいるうちにファンになってしまうかもしれません。
「リコちゃん」とか呼んでしまう日もそう遠くないかもしれません。
まとめ
今回は小説「万能鑑定士Qの事件簿 I」の感想をネタバレありで紹介しました。
- 事件解決方法が納得いかない
- 凛田莉子がいろいろズルい
- 小笠原は出直してこい
小説自体はおもしろいです。この後の「Qシリーズ」も読みたいと思えるのは凛田莉子というキャラクターがいたおかげでしょう。ただしドキドキハラハラしたい読者には物足りない作品だったと思います。
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