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小説「KAPPA」感想|子供の頃のワクワク感とお寿司を思い出させてくれる作品

小説「KAPPA」感想|子供の頃のワクワク感とお寿司を思い出させてくれる作品
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みなさん、河童ってご存知ですか?

そうです、あのカッパです。

日本の妖怪として有名すぎるほどの知名度を持ち、カッパと聞けば誰もがイメージできるほどです。

「妖怪」という本来なら人間を怖がらせる存在なのに、愛くるしい特徴からある寿司屋のマスコットキャラクターにまで上り詰めてます。

これはすごいことですからね。「ぬらりひょん寿司」とかないじゃないですか。

あったら絶対行きますけど。

ということでカッパが登場する柴田哲孝さんのミステリ小説「KAPPA」を読みました。



「KAPPA」感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

カッパ=ワニガメは無理があるだろ。

という感想なんですが、かなり好きな小説でした。

この小説が楽しめた、好きだったというのは完璧に「オカルトが好きな方」ってことだと思います。

UFOやUMAなどにワクワクしてしまう方、ビックフットを探しに山に行ったことがある方、「奇跡体験!アンビリバボー」やってたら見ちゃう方、がこれにあたりますね。

逆にそういったオカルトを信じてない方はおもしろくなかったんじゃないかなと思います。

だって「人を殺すカッパが現れた!」って話になって、いざ捕まえたらワニガメですからね。

テレビの特番でこれやったらクレーム来ますよ。

まあ、「ぬらりひょんが現れた!!」って言って、実際捕まえたら

埼玉県に住む60代の男性

だった、よりマシですけど。


好きだったシーン

「家族を持ち、警察という組織に属する阿久沢」と、「気ままに仕事をしながらキャンピングカーで生活をする有賀」がお互いのことを話すシーン。

阿久沢は自分のことを、【自分は自由な人生は送れない、自由になった瞬間に不安になる。自分は強い人間ではない】と言います。

それに対し有賀はこのように返答します。

俺も以前は、自由でいることは男の強さの証明だと考えていた時期もあった。つまり家庭とか、財産とか、社会的な信用とか、守るべきものがひとつずつ増すごとに男は少しずつ弱くなっていく。
引用:柴田哲孝「KAPPA」

そしてそれは逆だったとも言います。

守るべきものがあるから人間は強くなれるんだと。これは彼が体験したからこそ言える台詞です。

結論として2人は、「男はみんな弱いもの」だと言いました。

そういったことに気づくことが強くなるために必要な事なんでしょうね。

この小説の中で一番強く「何か」を感じましたし、心に残ったシーンでもありました。

まあ全然カッパは関係ないシーンなんですけどね。

1990年代はワニガメが珍しかった

カッパの正体に関しては、正直ガッカリだったというのが本音ですが・・・

小説が発行されたのが1991年当時、ワニガメは珍しかったそうです。

とはいえ、亀なので。やはりこれをカッパというのは無理があるかなと思いました。

しかし、そこにいたるまでのワクワク感。

「もしかしたら…本当に…」というこのワクワク感がこの小説の一番の魅力かもしれません。

結果も大事ですが、過程も大事ですからね。

カッパだと思って大人が本気で探しまくる展開は、忘れた何かを思い出させてくれました。

わたしも今度の休みは仕事のことなんて忘れて、一人で山にでも行き、何かワクワクすることをしたいですね。

そして帰りに「回転寿司」でも食べて帰ろうと思います。

どこの回転寿司かそれはもちろん・・・

スシロー。


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