いや、新しすぎる。
今までに『十角館の殺人』のような本格ミステリから、『イニシエーションラブ』のような恋愛系など、いろいろな「名作どんでん返し」を読んできましたが・・・
小説『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』は斬新すぎました。
「おもしろければいいんだよ」といった作品が受賞することの多い「メフィスト賞」を受賞した作品。
メフィスト賞を受賞していて、タイトルの『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』も意味が分からない。
これは読むしかない、と息巻いて読みましたが・・・
さすが「メフィスト賞」は伊達じゃないです。
小説『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』を読んで言いたいこと3選です。
『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』感想
意外すぎた叙述トリック
「頭に思い浮かべていた景色が一瞬のうちに変わる」
というのが素晴らしいどんでん返しですが、こんな変わり方は初めてでした。
まさかの「登場人物が全員全裸になる」という変わり方…これはもう景色変わるというか、
話が変わってきますからね。
このオチは全く想像してなかったですが、確かにヒントは隠されていました。
その時、船の上で何かが光った。フラッシュの切り忘れか。撮られたのだ。
早坂吝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』引用
このシーン。別に写真ぐらい撮られてもいいじゃないか、と思いましたが全員が全裸(ヌーディスト)だったから、ということでした。
また、らいちと沖くんが体の関係を持った際も「らいちは素早くしゃがんでフェラチオを始めた」とありました。
ズボンを脱がすといった描写がなかった理由も「お互い最初から全裸だった」というヒントな訳です。
まあ、エロシーンでそんなこと考える余裕ないですけどね、俺は。
今まで聞いたことないセリフ
『さあ、見せなさい、あなたのチンポを!』
このセリフが出てきたときに、『あ、この作者のほかの作品も読んでみよう』と思いました。
まじで意味わからないじゃないですか、これ。
ドラマだろうと、アニメだろうと、小説だろうと。人生でこんなセリフを目にする機会ありますか?
いや、私も大人なので、別にそういう「子供が好きそうな単語が出てきたから良い」、とか言っているわけではないんですよ。
このセリフが
人が3人も死んでるミステリ小説の解決シーンにて、登場人物全員が全裸で聞いている中、探偵役の女子高生が叫ぶ
っていうのがめちゃくちゃ新しいなと思ったからです。
移動手段が馬しかない時代に「セグウェイ」でてきたってぐらい新しいです。
犯人か犯人じゃないかを見分ける方法=チ〇ポが包茎じゃないかどうか
いや、何度も言いますけど・・・
まじで意味わからないじゃないですか。
犯人を指摘した際も周りの人間もそう。普通よくあるミステリ作品にて
『ありえないよ、だって重紀さんは完璧なアリバイがあるんだから』
ってセリフがよくありますよね。
しかし、今作では、
「ありえないよ、だって重紀さんはきれいに剥けてるんだから」
早坂吝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』引用
作者はミステリの歴史を変える気かよ、と思いました。
下ネタがちょっとキツイ
個人的には楽しめましたが、こういったいわゆる「下ネタ」が苦手な方はきつかったと思います。
探偵役が「援助交際している女子高生」という、設定はかなり新しかったですが、好きになれなかった人も絶対いるでしょう。
やたらと性行為をしているシーンが登場したり、犯人を除外するために「穴」の中を調べたり、と。
事件解決のつじつまにはあっているとはいえ、その生々しさに私もちょっとキツかったです。
女性に『何かオススメのミステリ小説教えて』と言われても、この小説のタイトルは口から出ないでしょうね。
ただ、このシーンだけは苦手な人も笑ったんじゃないでしょうか。
犯人の自供中でのワンシーン。ヤクザの包茎手術をミスってしまったという犯人に対し、
「それはヤクザのムスコという意味ですか、それともヤクザの息子のムスコという意味ですか」
「そんなこと今はどっちでもいいだろ」
早坂吝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』引用
今じゃなくてもどっちでもいいだろ。
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