終盤の畳みかけ方、なんですかあれは?
「ネタばらし」という名のラッシュでボコボコにされました。
『え?そうだったの』ボコォ
『いやお前だったんかい』ボコォ
『お母さん!』ボコォ!
セコンドがいたらタオル投げていると思います。そのぐらい読者に衝撃を与えてくる作品でした。
この衝撃を共有したくて【徹底考察『倒錯のロンド』がおもしろすぎたので解説と考察】という記事を書いてしまうほどですから。
『倒錯のロンド』感想
まあ一言で感想を言うとしたら、
結局みんな狂ってるじゃねーか。
というまさかの内容だったんですが、ミステリ小説大好きマンとしては満足でした。
読んでいる間にずっと「何かあるんだろうな…」と思ってはいたんです。そうしたら、いろいろあり過ぎて処理できない感じ。
どんでん返し小説は大好きなので、かなり面白かったですが・・・最後のエピローグらへんは一回読んだだけじゃ完全には理解できなかったですね。
この小説「倒錯のロンド」の感想をネットで検索すると、
「ズルい」「難しい」「最後理解できなかった」
って意見をチラホラ見かけました。
ズルいっていうのは「この登場人物は狂ってました、だから妄想でした」って点。
難しいっていうのは、話の内容が「実際に作者が江戸川乱歩賞におちた話とリンクしていた」ようになっていた点ですね。
まあ確かに「この登場人物は狂ってました、だから妄想でした」ってオチはある意味何でもありなので、納得できない人もいるでしょうね。
読者をびっくりさせておいて「実は妄想でーす」じゃあ必死に犯人を考えていた人には意味がないですもんね。
でも今回は【山本安雄が徐々に狂っていく過程】が見えてたじゃないですか、医者いわく「元々山本はもともと気が変だった」みたいな言い方していましたが…
「倒錯のロンドの考察記事」でも書いたように、俺は「山本安雄はもともと普通の人だった」と思っている派なので、
今回はその「狂っていく過程」みたいなのが徐々に見えていたのが怖く、それでいておもしろかったです。
エピローグの件は確かに。あれ一回で読んですんなりわかる人、ほとんどいない気がします。
ほとんど読者の頭の上に「?マーク」が出てたと思うとかわいいと思ってしまうほど。
ちなみに自分は「?マーク」20個ぐらい出てました。
ただ、あれもやはり普通の小説では見かけない手法でしたし、実際に「江戸川乱歩賞落選」って事実がないとできないトリックでしたからね。
好き嫌いが分かれそうなラストでしたが・・・
個人的には好きでした。
ただ、さっきも書いた通り、結局フタを開けてみたら登場人物ほとんど全員狂ってる、って話なわけで。
逆に狂ってない普通の人たちがみんな被害にあってしまった、というのがやるせないですね。
殺されてしまった白鳥の彼女「立花広美」も、ただ単に小説家の白鳥を好きになっただけですし。
もう一人の殺されてしまった山本安雄の友人「城戸くん」なんてめちゃくちゃいい奴でしたからね。
友人の小説なくしてしまって、それを取り返すために「100万よこせ」と言われた時も
『100万で友情が取り戻せるなんて安いもんだ』
なんて言えちゃう男でしたから。お坊ちゃま君かな?
なんにせよ、すごい小説だったと思います。
ミステリ小説大好きマンなので、いろいろな小説読んできました。
こういった叙述トリックで有名な作品を読むときはどうしても
『作者の思惑に引っかかってたまるか!』
『事件は俺が解決してみせる!』
『真実はいつもひとつ!』
と思いながら読んでいるので今回もそうして読みましたが・・・そうまでしても最後はボコボコにされましたから。
セコンドがいたらタオルを箱ごと投げてたと思います。
ということで、もし同じようにボコボコにされた人がいましたら、
「倒錯のロンドの解説&考察」を書いたので、ぜひ読んでください。
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