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徹底考察『出版禁止 ろろるの村滞在記』をネタバレで解説&考察

徹底考察『出版禁止 ろろるの村滞在記』をネタバレで解説&考察
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『出版禁止 ろろるの村滞在記』読んだ後の考察です。

本の中に様々な謎が隠されている、長江俊和さんの「禁止シリーズ」。

その『出版禁止 ろろるの村滞在記』で気になった部分を解説も含め、考察してみました。

「読んだけどよくわからなかった」という部分があった人は、ぜひ最後まで読んでみてください。


『ろろるの村滞在記 』解説・考察

今回の解説・考察をしたのは以下の5つです。

・「ろろる」の意味
・幸せの丸い貝
・生まれた赤ん坊
・ミチル=朔?
・都築亨

ろろるの村?「ろろる」の意味

小説のタイトルともなっている「出版禁止 ろろるの村滞在記」。

ろろる、とはどんな意味なのでしょう。

これは「呪い」という漢字を崩したものです。

正確にはろろるを「カタカナ」に変換し、そのカタカナを組み合わせると「呪」という漢字になります。

徹底考察『出版禁止 ろろるの村滞在記』をネタバレで解説&考察

ろろる、なんて可愛らしい響きからこんな恐ろしい意味があるとは恐ろしいですね。

もしかして「世界ウルルン滞在記」もやばい意味があるんじゃないですかね。

朔が渡した「幸せの丸い貝」の意味

2人が高校生の時、藤村朔が都築亨に「幸せの丸い貝」を贈ります。

この贈り物の意味はなんでしょうか?

これは「あなたは生け贄なのよ」という意味を表しています。

その理由は漢字です。

「幸せの丸い貝」の漢字の部分を抜き取り、それを組み合わせると・・・

生け贄の「贄」という字になるんですね。

徹底考察『出版禁止 ろろるの村滞在記』をネタバレで解説&考察

いや、怖すぎますよね。

生まれた赤ん坊は誰と誰の子か

ルポライター佐竹綾子が書いた「取材を終えて」の中で、

「村で初めて子供が生まれた。女の子である。」

「村人たちにとっても待ち望んでいた出産だった。」

と赤ん坊が生まれた描写があります。あれは誰と誰の子供だったのか?

これは都築亨と藤村朔の子供だと推測します。

2人に性交渉をした描写はありませんが、そう取れるシーンはありました。

朔が帯に手をやる。帯を解くと、着物を脱ぎ出した。白装束が床に落ちる。白い裸体が露わになる。裸のまま隣に寝そべると、私を抱擁してくれた。
長江俊和『出版禁止 ろろるの村滞在記』より引用

これは都築亨が殺される前に意識を失いかけているときのシーンで、彼は夢だと思っていたものです。

しかしこれは夢ではなく事実だったと思われます。

藤村朔の役割は「祭りを成功させること」と「しきたりを後世に繋ぐこと」。

よって子供を身籠ることも使命の一つであったため、都築亨と関係を持って子供を作ったのだと思います。

藤村朔は都築亨を生け贄としましたが、彼に惹かれていたのは事実と思われます。夫の青木伊知郎もそう言っています。

生まれた赤ん坊が「女の子だった」というは次の世代の巫女候補ってことでしょうかね。

また「村人たちにとっても待ち望んでいた」というのも呪いの村が続くことの喜びの現れでしょう。




ミチル=朔?

これも推測の範囲になりますが。

小説の最初のほうに出てきた仮名で「ミチル」と紹介された女性は「藤村朔」だと思われます。

理由としては2つあります。

1:キノミヤ(青木伊知郎)が会社をつぶしたことを知っている
2:朔という漢字の意味

まず、キノミヤに対してミチルは「会社を潰しましたものねえ」と言っています。

このキノミヤは青木伊知郎であり、青木伊知郎は会社の社長ということでしたが、それはすでに放棄しています。

それを「倒産」としてとらえるなら、ミチルは「キノミヤ=青木伊知郎」として認識しています。

つまり「彼がキノミヤの名前を継いだと知っている前からいる村人」か「実情を知っている間柄」かのどちらかということになります。

都築が滞在していた時、ミチルのような側近はいませんでした。

よって、このミチルが朔の可能性があります。

さらに「朔」という漢字の意味が本の中でも語られています。

新月……月が見えない日のこと。朔ともいう。
長江俊和『出版禁止 ろろるの村滞在記』より引用

月が見えない、というのはつまり「満月」の逆です。満ちていない。

そこを「逆打ち」で表記して、逆なのでミチル。

また些細なことですが、朔の話す言葉に「関西なまりがない」とわざわざ説明されていたこともヒントかもしれません。

名前「都築亨」の意味

都築亨という名前をつけたのには意味があると推測します。

まず「都」という漢字。

この中には「生贄=イケニエ」という文字が隠されています。

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次に「亨」という漢字。

亨には以下のような漢字の意味があります。

①とおる。さしさわりなく行われる。

②すすめる。ささげる。

③に(煮)る。

まさに「神に捧げるための生贄」として取れます。

また「祭り」という意味でも使われることもあるらしく、今回の百年祭にかけている可能性もあります。


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