こんな方のために書きました
- 小説「シャーロック・ホームズの冒険」を読んだ
- 他の人の感想が気になる
- あらすじを確認したい
世界中の人に『最も有名な探偵は誰?』と聞いたら誰になるでしょう?もしかしたら某名探偵(蝶ネクタイに麻酔銃)の名前が上がりそうですが…わたしは迷わず「シャーロック・ホームズ」と答えると思います。
シャーロック・ホームズの作品の中で、一番最初の発行された短編集「シャーロック・ホームズの冒険」を読みました。
古い作品なのでトリックや謎に関して驚きは少ないです。しかし、それを踏まえても十分におもしろい。そんな本でした。
古き良きレトロな探偵小説。ミステリ好きはまさに必読書といってもいいでしょう。今回は各エピソードのあらすじと、読んだ私の感想をネタバレありでご紹介します。
でらの評価 | |
---|---|
読みやすさ | (2.0) |
レトロさ | (4.0) |
衝撃度 | (3.0) |
おすすめ度 | (3.5) |
シャーロック・ホームズの冒険 あらすじ
ロンドンに巻き起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズは、その怜悧な推理と魅力的な個性で読者を魅了する。近代小説を確立したホームズ物語の第一短編集。赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う『赤髪組合』、乞食を三日やったらやめられない話『唇の捩れた男』など10編。
出典:本裏側の説明より
ネタバレを含む感想
これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。
早い。早いですね。短編集ということで事件解決までが早すぎました。
なおオリジナルの「シャーロック・ホームズの冒険」は短編が12編でできています。文庫本版にはそのうち10編が収載されています。
よって1話当たりのページ数が少なめなので必然的に解決までが速くなります。これは読んでいる人にとってはテンポよく楽しめるポイントでした。
またこの原作が発行されたのが1892年。もちろんスマホなんて出てきません。レトロな良さを感じさせてくれる作品です。
しかしそれによって少しばかり読みにくいところもあります。「乞食」というような今では使わない言葉や馴染みのないものもでてくるので、ちょっと理解が大変なところもあるかもしれません。
しかしそれら全部含めて「シャーロック・ホームズぽさ」が全力で感じられます。
大体の話で「依頼人が来て話し終えた瞬間からホームズは目星をつけている」というパターンが多く、あとはそれが正解だったかを確認していく作業のような感じでした。
そんなこと言うと『じゃー全然ハラハラしないじゃないか!』『おもしろくなさそう』という声が聞こえてきそうですが…そんなことは全くなかったです。
確かにハラハラするシーンはほとんどなかったと思います。そういったサスペンスものを求めて読んだ人には拍子抜けでしょう。
しかしこの「ホームズのすごさをじっくり読む」というのがシャーロック・ホームズのおもしろさの1つだと思っている私は、この作りが非常におもしろかったです。
そしてホームズといえば常人離れした「観察力」や「洞察力」。相手を見た瞬間に細かい情報を読み取り、相手がどんな人なのかを推理します。
ホームズを推理を聞くと「なんでそんなことがわかるの?絶対うそでしょ」と言いたくなってしまいます。そのぐらい突拍子の無いことばかり…なんですが。その後の根拠を聞くと「あ~確かに」と思えてしまうのです。それが一般人と世界一の名探偵との違いですね。
なんでそんなことがわかったんだ?という質問に対し、ホームズは『みんな見ているだけで観察していないからだ』と言います。つまり他の人には「見ているだけ」ですが、彼にとっては「観察」しているんですね。
また今回登場した事件は、一般にあり得る身近な依頼も多く、今回の短編集では殺人系は少なかったです。
一般市民の私としては非常に馴染みやすく読むことができましたね。
各エピソードのあらすじ
小説「シャーロック・ホームズの冒険」に登場する短編10話のタイトルと簡単なあらすじを紹介します。
ボヘミアの醜聞
ある国の王様からのホームズに依頼が届きます。過去の交際相手が現在の結婚を邪魔しようとしているのでどうにかしてほしい、というのです。
その相手とはどんな人なのか。ホームズは王様を守ることができるのか。
赤髪組合
髪の赤い男がホームズのところへ奇妙な相談をしにやってきます。その相談内容とは「自分が働いていた場所が急になくなってしまった」というもの。
そしてそれよりも奇妙なのが、その仕事の内容と募集条件でした。彼が働いていた赤髪組合とは一体なんなのか…
花婿失踪事件
ある女性が「花婿を探して欲しい」とホームズに依頼してきます。その花婿は披露宴の時に急に馬車からいなくなってしまった、とのこと。
しかし何かとタイミングがおかしいと疑うホームズ。その花婿は一体どこへ行ってしまったのか。
ボスコム谷の惨劇
ある谷で1人の男性が殺されてしまいます。そして警察はその時の殺害状況から、「殺された男の息子」を逮捕しました。
しかし息子は犯行を否認します。そしてそれを信頼する者もいます。犯人はいったい誰…?
その鍵は死んだ男が死に際にはなった「鼠」という言葉。
オレンジの種五つ
ある青年がホームズを訪ねてきます。あるものが送られてきて、その後まもなく自分の叔父が亡くなってしまった、というのです。
その送られてきたものとは「オレンジの種」が「5つ」という不思議なもの。それが意味するものとは…
唇の捩れた男
ある婦人が「自分の夫がいなくなってしまった」と、ホームズに相談しにきます。しかも彼女は「目の前で居なくなってしまった」と証言します。
しかしそれには何やら怪しい男達の影がありました。ホームズとワトソンは無事に彼女の夫を探し出すことができるのか。
青いガーネット
ホームズの知り合いの守衛がある喧嘩を目撃し、その場にあった帽子とクリスマスに食べる用の鵞鳥(ガチョウ)を拾いました。
その鵞鳥の中にはなんと、青い宝石「ガーネット」が入っていました。この宝石はなぜガチョウの中に?そしてこのガーネットは誰のものなのか?
まだらの紐
非常に怯えた女性がホームズに助けを求めに来ます。彼女には双子の姉がいたが、ある夜急に亡くなってしまったらしい。
彼女は姉から死に間際にある言葉を聞きます。悶えながら発した言葉、それが「まだらの紐」でした。彼女が怯える理由は?そしてまだらの紐とは一体?
花嫁失踪事件
結婚式の当日、ある貴族の男性の婚約者がいなくな失踪します。そこにはその男性の過去の恋愛相手が。
この恋愛相手に対して疑いが向けれられます。その後、新婦の着ていた服や指輪が川の底から発見され…。花嫁は一体どこへ行ってしまったのか?
椈屋敷
割の良すぎる仕事を見つけた女性。しかしその仕事の条件が奇妙すぎる、ということでホームズに相談します。
その条件とは「髪を切ること」や「座る場所の指定」など普通の仕事ではない様子。そして彼女はその屋敷であるものを見てしまいます。
まとめ
今回は小説「シャーロック・ホームズの冒険」の感想をネタバレありで紹介しました。
- シャーロック・ホームズらしさを感じれる
- テンポがよくサクサク読める
- 古きレトロな雰囲気の作品
古い作品にも関わらず、短編集ということで読みやすかったです。他のホームズ作品も是非読みたいと思います。
他にも小説の感想などをネタバレありでご紹介しています。お時間ある方は是非ご覧ください。
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