こんな方のために書きました
- 小説「噂」を読んだ
- 他の人の感想を知りたい
萩原浩さんの書いたサイコ・サスペンス小説「噂」を読みました。
「レインマンが女のコの足首を切っちゃうんだ。でもミリエルをつけてると狙われないんだって」
そんな噂が現実となり、男女の刑事コンビが事件解決に奮闘する作品です。
また「ラスト1行の衝撃!」という触れ込みでも有名な作品です。
今回は小説「噂」のあらすじと感想をネタバレありでご紹介します。すでに本を読んだ方は、ぜひご覧ください。
噂の評価
読みやすさ
衝撃度
トリック
小説「噂」あらすじ
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。
Amazon内容紹介より抜粋
ネタバレあり感想
あれ?これ、恋愛小説ですか?──
私はこの小説がすごく好きになってしまったのですが、その理由は小暮さんと名島さんのコンビにあります。
2人のキャラクター設定だったり、掛け合いが微笑ましくてずっと読んでいられるな…と思いました。
特に、名島さんが可愛いんです。
捜査会議で発言できないところも可愛いし、バナナシュートの練習をしているところも可愛い。
そんな名島さんに対する小暮さんもいいんですよね。階級的には下だけど、刑事歴は上。
だからこそ2人の距離が上手い具合に相殺されている。時々敬語じゃなくなるところもいい。
小暮さんは奥さんを、名島さんは旦那さんを亡くしている。共に「特別な死に方」ではなく、あり得る死に方で、リアリティがあり重さも伝わってきますが、そこを前面に出してこない。
なのでシンプルに2人の「今後」を応援したくなってしまうんですよね。
小暮さんと娘の菜摘。そして名島さんと慎之助。ぜひ4人で新しい幸せをつかんでほしい。そう思いました
その矢先ですよ。あの終わり方。
夢の国の手前で、一気にハンドルを切って海に突っ込むような終わり方。
嫌な終わり方ですが、あれは秀逸でした。菜摘の『きもさぶ』があそこで活きるとは…。
ただ、あーなってしまうと続編は厳しいでしょう…
菜摘が逮捕なんてされたらもう…小暮さんが不憫で読んでられません。
本では菜摘たちの犯行が「あれは犯人(西崎)の最後の犯行」と処理されたように書かれていましたが、あれはバレると思います。
明らかに今までの犯行と違うでしょうし、足の処理に関してはまさかの「ミートパイのお肉の機械に入れちゃえ」ですから…
子供は残酷です。
そして犯人の西崎。
この本のジャンルである「サイコ・サスペンス」の名に恥じない、かなり危ないやつでした。
彼の性癖は「23センチ限定の女性の足」。『特殊かっ』とツッコミたくなりますが…
性癖というのは人それぞれですので何も言えません。しかしそれが「体はいらない。足だけでいい。」となりますと…
うーん、バキバキにサイコパスです。
犯人逮捕後にこの足ばかりを撮影した写真集を見た名島さんがキレたとありました。自分勝手極まりないですから。同じ男から見ても嫌悪感がスゴイです。
ちなみに西崎とサキが同棲しているようなシーンがありましたが、あれは西崎の妄想の世界、ということですよね?
最後に西崎が追い詰められて、サキの言葉が出てきたところはゾクッとしました。彼女の怨念でしょうか。
まあ、それは怨念も出ますよね。
被害者からしたら「ふざけるな」ですよ。
まとめ
今回は小説「噂」の感想をネタバレありで紹介しました。
- 小暮さんと名島さんのコンビがいい
- 犯人はちゃんとサイコパス
- ラストの表現は衝撃的で秀逸
続編が読みたくなるぐらい、小暮さんと名島さんのコンビにハマりました。サイコ・サスペンスな小説では珍しい感想だと思います。
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