こんな方々のために書きました
- 小説「暗黒館の殺人」の(一)を読んだ
- 全部読んだけど他人の考察は気になる
- (一)の内容をおさらいしたい
作家 綾辻行人さんの著書「館シリーズ」。そのシリーズの中で最もページ数の多い作品が、第7弾「暗黒館の殺人」です。
暗黒館の殺人は一、二、三、四に分かれ、なんと総ページ数は2500ページ以上。(講談社文庫の新装改訂版)1冊に収まらないのは5作の「時計館の殺人」以来です。
ということで今回も謎解きに挑戦してみたいと思います。「暗黒館の殺人」(一)を読んでの考察です。
ストーリーもまだ四分の一のため、いわば起承転結の起。考察のしようがありませんが、気になる点をまとめていけたらと思います。
暗黒館の殺人(一) あらすじ
蒼白い霧に峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴…。著者畢生の巨編、ここに開幕。
講談社文庫 内容紹介より引用
登場人物の家系図
今回はかなりの長編ということで、登場人物も多いのが特徴です。またその関係性もかなり複雑なものになっています。
ということで、本の中から浦登家の家系図をお借りしました。
気になる点を考察
未だストーリーはほぼ明かされていないため、ほとんど気になる部分ではあります。その中でも特に私が気になったのはこの3点です。
- 謎の声の正体は?
- 小説「孤島の鬼」の影響?
- ダリアの宴で食べたものは?
順に考察していきます。
謎の声の正体は?
今回の暗黒館の殺人では、謎の声が入ります。
その声が聞こえるのは館シリーズにてお馴染みの江南くん。そして中也くんの2人。これにはきっと、いや、必ず意味があるものと思われます。
小説の前半部分にて江南くんのお母さんに関するエピソードがありました。お母さんが江南くんに対し『あなたは私が生んだ子ではない。あなたは引き取られた』と伝えます。しかしエイプリルフールの冗談ということになりました。
しかし、実はこれ事実ではないでしょうか?
いくらエイプリルフールとはいえ、子供にそんな冗談言いますか?相手が子供ならなおさらです。
そうなると見えてくるもの。それは【江南くんと中也くんは兄弟なのではないか】という可能性です。
双子には特別な意思疎通が存在する、という話はよく聞きます。ならば兄弟でもありえない話ではないでしょう。
小説「孤島の鬼」の影響?
皆様は「孤島の鬼」という作品をご存じですか?作家 江戸川乱歩が1930年頃に書いた探偵小説です。
今回暗黒館の殺人を読み、登場人物の特徴や名前を見てピンときました。
これは「孤島の鬼」に影響されて作られたストーリーではないかと。
https://deradesu.com/kotounooni-kansou/
小説の中に登場した「傴僂」「シャム双生児」。普段なかなか目にする機会がない人体的特徴です。これらが「暗黒館の殺人」と「孤島の鬼」に共通しています。
また、今回のメインとなる家族は浦登(うらど)家。そして孤島の鬼のメインの登場人物の名前が、蓑浦(みのうら)と諸戸(もろど)。合わせたら「もろど」になりますね。
さらに暗黒館がある場所は湖上の小島。孤島の鬼の舞台もやっぱり島です。
ここまで影響されているとすると、孤島の鬼で行われた「鬼の所業というべき行為」も共通しているかもしれません…
孤島の鬼では「普通の人間をかたわ者(障害者)にする、という酷い行為が行われます。
暗黒館に登場した美鳥・美魚の姉妹。清くん。そして清くんと同じ病気で亡くなった麻那。
もしかしたら彼女らも同じように「誰かによってそうさせられた」可能性があります。
私はその行為に対し非常に胸糞悪くなりましたので、これ以上影響されていたら嫌だな、と思っています。
ダリアの宴で食べたものは?
ダリアの宴に参加した中也くん。そこで出されたスープを口にしようとしたときにみんなが一斉に見ている、というシーン。
過去に読んだ館シリーズの中で、最もゾゾゾとしたシーンです。完璧にホラーでした。
ここはものすごく怖いです。というかダリアの宴なんてものでなくても、いきなり他の人が一斉に無表情で見てきたら、どんな席でも恐怖です。
そして追い打ちをかけるようにあの怖すぎるスープ。ドロドロ、生臭い、美味しくない…
これは想像すらしたくありませんが、言ってしまいましょう。あれは人のお肉スープだったのかもしれません。
それを食べさせることによって絆を強くしようとしたか、はたまた何か弱みを握ろうとしたか…
そしてもしスープの想像が正しかったとしたら、そのお肉は未だ登場していない首藤利吉のものかもしれません…
まとめ
小説「時計館の殺人」の(一)を読んで気になった点の考察をしてみました。
と言ってもまだまだ話が進んではおらず、事件らしい事件も発生していません。きっと謎も多くなっていくでしょう。
今回読んでくださった方は、是非(二)を読んだ後の記事もご覧ください。