こんな方のために書きました
- おすすめの推理小説を知りたい
- どんでん返し系の小説を読みたい
- 館シリーズについて詳しく知りたい
推理小説やどんでん返し系の小説が大好きな皆様、こんにちわ。皆様は日本の作家 綾辻行人さんの推理小説シリーズの1つ、「館シリーズ」をご存じでしょうか?
トリックが散りばめられた館という閉ざされた空間。そこで難解で凄惨な事件が発生します。大胆で驚愕な叙述トリックが特徴の作品です。
今回は館シリーズ9作品の各書のあらすじや出版された順番や評価をネタバレ無しでご紹介します。
ご興味ある方や読んでみようと思っている方は、是非参考にしてください。
館シリーズとは?
亡き天才建築家 中村青司が建てた奇妙な館が舞台となるミステリー小説シリーズです。
全部で10作品と言われています。1作品目は1987年に出版されており、2022年までに9作品登場しています。
普通の建物ではない様々な特徴を持った館にて、何かに導かれるように凄惨な殺人事件が発生します。そんな事件を素人探偵である「島田潔」が謎を解くために奔走する、といった内容です。
作者は綾辻行人さん
館シリーズの著者は推理作家の綾辻行人さん。
なお綾辻行人さんのデビュー作が今回ご紹介する館シリーズの1作目「十角館の殺人」です。
シリーズ物でいうと「館シリーズ」のほかにホラー色の強い「Anotherシリーズ」があります。
館シリーズの順番
2022年現在までに出版されている館シリーズは9作品。その順番は以下の通りです。
- 十角館の殺人
- 水車館の殺人
- 迷路館の殺人
- 人形館の殺人
- 時計館の殺人(上・下)
- 黒猫館の殺人
- 暗黒館の殺人(一・二・三・四)
- びっくり館の殺人
- 奇面間の殺人(上・下)
9つの館が登場しました。出版された本の数でいうと14冊ということになります。(講談社文庫本)
なお、読む順番も発売順と同じく最初からをおすすめします。
中には少し変わった作品もあるのですがそれも踏まえて最初から読んだ方が楽しめます。
全巻のあらすじ紹介と評価
十角館の殺人
孤島・角島。そこには建築家「中村青司」の建てた奇妙な館「十角館」があった。
そこへ大学のミステリ研究会のメンバー7人が訪れる。しかし彼らは1人、また1人と殺されてき…
島と本土、2つの場所で展開する物語。犯人は誰か?超衝撃的な一行でミステリ史上最大級の、驚愕の結末が!
ある無人島に向かう7人の大学生。彼らは大学のミステリ研究会のメンバーで、それぞれエラリイ・アガサ・カー・オルツィ・ヴァン・ロー・ルルウ、といった有名な推理作家の名前がニックネームとしてついています。
彼らの目的は島にある館。その館とは建築家「中村青司」のいう人物が起こしたある事件のあった場所でした。その名は「十角館」。彼らはその館で寝泊りをすることになります。
無人島という閉ざされた空間で追い詰められるハラハラ感と、真実が明らかになる瞬間。
マジで度肝を抜かれます。
十角館の殺人 評価 | |
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衝撃度 | (5.0) |
読みやすさ | (3.5) |
トリック | (3.5) |
おすすめ度 | (5.0) |
注目すべきは衝撃度。ドカーンときます。館シリーズでもおすすめです。
水車館の殺人
仮面を被った主人と、美少女が住まう館「水車館」。ここは十角館と同じく建築家「中村青司」の建てた館。
有名な幻想画家「藤沼一成」の家として、そこには様々な作品が。そしてその絵を見るための一年に一度の集いが開かれる。
1年前の嵐の夜、その集いの日に不可解な惨劇が起きた。そして、今年も集いが行われることに…
舞台は山奥にある大きな水車のある館で、仮面をかぶった車椅子の主人。そして美しい少女。まさに「これぞミステリー」といった設定です。
「金田一少年の事件簿」など好きだった方はより楽しめそうな作品です。
「現在」と「過去」が交互に展開されるストーリー。読むときはじっくり腰を据えて読むことをオススメします。
でらの評価 | |
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衝撃度 | (4.0) |
読みやすさ | (3.0) |
トリック | (4.0) |
おすすめ度 | (4.0) |
前作とは少し違った若干のホラーテイストが特徴です。
迷路館の殺人
地下に作られた複雑な迷路となっている館「迷路館」。当主は推理作家界の巨匠「宮垣葉太郎」。
彼の還暦を祝うパーティーに4人の弟子の推理作家や関係者が招かねる。そしてそこに島田潔も参加することに。
そこで突然執筆を迫られる作家たち。だが作家たちが次々と、書いた作品の見立てどおりに殺されていく。
複雑な構造の迷路を舞台にした殺人。怪しい雰囲気と、迷路という特徴をうまく合わせたこちらもミステリー感たっぷりの作品です。
あくまで私の意見ですが、小説を読んでいて1番驚いた作品がこの「迷路館の殺人」だったかもしれません。
読んでください。こんな小説には初めて出会いました。
でらの評価 | |
---|---|
おどろき | (5.0) |
読みやすさ | (3.5) |
トリック | (4.0) |
おすすめ度 | (5.0) |
衝撃度は「十角館の殺人」と同等でしたが、意味合いが若干異なります。とにかくオススメです。
人形館の殺人
妖しい人形が多数おかれる、京都にある「人形館」。その近所で残忍な通り魔殺人事件が続発する。
人形館に住む人付き合いの苦手な男性、飛龍想一。彼にも様々な嫌がらせが起き、やがて通り魔の危険がおよぶ。
想一に被害を加える犯人はだれか?そして人形館の謎の正体は?
主人公の想一を中心に、不穏でどんよりとした雰囲気で展開していく今作。
なお、こちらの作品は「館シリーズの中でも異色」と呼ばれています。その理由はぜひ読んでお確かめください。
でらの評価 | |
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衝撃度 | (3.5) |
読みやすさ | (3.0) |
気持ち悪さ | (4.0) |
おすすめ度 | (2.5) |
特徴はある種の「気持ち悪さ」。好き嫌いが別れる作品です。
時計館の殺人
舞台は鎌倉の外れに建つ「時計館」。「館には少女の霊が棲んでいる」ということで、あるオカルト雑誌の取材が行われる。
取材班の1人として参加するのは十角館の惨劇を知る江南孝明。
そしてその閉ざされた館の中で、またしても恐るべき殺人劇が行われることに…
閉ざされた館内の江南と、館の謎を追う館外の島田潔による、両方の謎解きが楽しめるミステリー作品です。
なお、館シリーズ初となる上下巻に分かれた長編大作です。(講談社文庫新装版)上巻を読んだ後に、下巻に向けての考察を楽しんでみるのもオススメです。
二冊分の長編ですがその分濃いストーリーで楽しめます。「上下巻は長いな…」と思っている方にもぜひ挑戦していただきたいです。
でらの評価 | |
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読みやすさ | (3.0) |
衝撃度 | (3.5) |
トリック | (4.0) |
おすすめ度 | (3.5) |
テンポの良さとトリックの秀逸さに手が止まりません。ただ登場人物が多く、理解するのが少し大変かもしれません。
黒猫館の殺人
推理作家「鹿谷門実」のもとにある依頼が。それは「自分が何者なのか調べてほしい」という記憶をなくした老人からの依頼だった。
彼の持つ手記に書かれていたのは恐ろしい事件と、謎の館「黒猫館」。
その事件は本当にあったのか。彼の正体は。そして「黒猫館」の謎と一体?
今までのシリーズのように館で起きる事件ではなく、館で起きた事件に関する真相を求めるストーリー。
読んでいて気づく様々な違和感…そして真相に近づくにつれ、まさかの展開に驚愕します。
とんでもないどんでん返しで、明らかになった時は『や、やられた…!』と声が出たとか出ないとか。
でらの評価 | |
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読みやすさ | (2.5) |
衝撃度 | (3.5) |
トリック | (4.0) |
おすすめ度 | (3.5) |
かなりトリッキーでスケールの大きいストーリー。完璧に騙されました。
暗黒館の殺人
湖上の小島に建つ漆黒の館「暗黒館」。そこには忌まわしきしきたりを持った浦登家の人々が住まう。
そこの主人の息子である玄児に招かれた中也は、そこで奇怪すぎる出来事を目撃することに。
館に隠された謎。そこでみる座敷牢に美しき異形の双子。そしてダリアの宴とは一体…?
名前の通りダークな雰囲気が強い作品。登場人物もかなり奇妙で、ホラー要素も強めです。
なお、こちらは全4冊という館シリーズで最長編となる作品です。(講談社文庫新装版)1つの事件で4冊というのもなかなか珍しいのではないでしょうか。
4冊となるとあまりの長さに尻込みする方もいるかもしれません。ご自身の気持ちとお財布と相談の上、お読みください。
でらの評価 | |
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読みやすさ | (2.0) |
衝撃度 | (3.5) |
トリック | (3.0) |
おすすめ度 | (3.0) |
ダークな雰囲気は、シリーズ随一。ただしやはり長く、読みずらさも感じます。
びっくり館の殺人
あやしい噂が囁かれる館、その名も「びっくり館」。そこに住むのは1人の老人と体の弱い小学生の男の子。
その少年と仲良くなった近所に住む三知也は、ある日そこで異様な劇を目撃する。そこには風変わりな人形リリカが。
そしてクリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇。事件の真相は?そしてびっくり館の真実は?
少年たちの目線で繰り広げられる不思議なストーリー。「びっくり」という単語の幼稚さも子供らしい。
なおこちらは「館シリーズ」初の子供向けの作品。よって多少マイルドなところも特徴です。
館を舞台にした薄気味悪い展開。いつもと少し違うテイストを楽しめます。
でらの評価 | |
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読みやすさ | (3.0) |
衝撃度 | (3.5) |
トリック | (3.0) |
おすすめ度 | (2.5) |
子供向けというだけあり、本格ミステリを目的に読み始めた方には若干物足りないかもしれません。
奇面間の殺人
都内の山奥にある「奇面館」。そこの主人が主催する奇妙な集いに参加した6人の男たち。
彼らに課せられたルール。それは「鍵の掛かる仮面」をかぶり、顔を明かさないこと。
そしてその集いの夜、殺人事件が発生する。しかしその死体には頭部と両手の指がなかったのだ。その理由、そして犯人の目的は?
参加者が全員仮面をかぶるという、これもまたミステリーらしい設定。そして死体には頭部と両手の指がないという残虐さ。
なお「時計館の殺人」以来となる上下巻の作品です。じっくり考察してみたい方にはオススメです。
仮面がメインとなる館シリーズらしい作品で、本格的なミステリーを味わえます。館シリーズのファンの方は必見です。
でらの評価 | |
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読みやすさ | (3.5) |
衝撃度 | (3.0) |
トリック | (2.5) |
おすすめ度 | (3.0) |
まさに王道ミステリー。読みやすい作品です。
まとめ
綾辻行人さん著の長編推理小説のシリーズ「館シリーズ」のあらすじや評価をご紹介しました。
本格ミステリとして有名な作品で、推理小説が好きな方には欠かせない作品となっています。未だ読んだことない方は、十角館の殺人から読んでみてください。