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小説「マスカレード・ホテル」の感想|山岸尚美に言いたいことあります

小説「マスカレード・ホテル」の感想|山岸尚美に言いたいことあります
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ホテルの仕事は仮面を守ることなんでしょうか?

今回、東野圭吾さんの小説「マスカレード・ホテル」を読んだんですが、正直言って「ホテルマン」に対してちょっと疑問です。

この作品はキムタクと長澤まさみという、『2人のファンを集めたらドミニカ共和国の人口を上回るんじゃないか』と思われるほどの有名人で実写化された人気作なんですが・・・

話のおもしろさの前にまず、このホテルに言いたいことあります。

ていうか山岸さんに言いたいことあります。

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。



『マスカレード・ホテル』感想

まず先に言っておきますと私、ホテルマンが大好きです。

あの清潔感と物腰の柔らかさ。

ずっと聞いていられる優しくて品の良い話し方。

夜食を買いにいこうとコンビニに行く時でさえ言ってくれる『いってらっしゃいませ』

そしてどん兵衛を買ってきた私に対しての『おかえりなさいませ』

たかだか、どん兵衛を買いに行くだけでここまで気持ちよくしてくれるんですからね。

だたね、山岸さんは「ちょっと危ない」です。

『ホテルに来るお客様は、だれも仮面を被っている。』

これは山岸さんのセリフなんですが・・・まあそれはわかります。

ただ。その仮面を真摯に信じて『それがお客様なのです!』はちょっと一方的すぎやしませんかね?

今回のマスカレードホテル、事件を追う新田刑事と、ホテルマンの山岸さんの異色のバディモノとして人気となりました。

確かにそれはおもしろいんですけど・・・中盤の「ホテルマン奮闘記」はなんかモヤッとしました。

『ホテルマンはお客様のことを信頼し、我々の使命はお客様をお守りすること!』と、あたかも「ホテルマンって素敵よねぇ」って感じなんですが…

これは結構危険な行為だと思うわけです。

世間のホテルマンがどれくらい徹底してるかわかりませんが…

いわばその「信頼」はホテルマンの判断ですよね?逆にお客様だったら全て信頼しちゃっていいでしょうか?

いや、分かりますよ。ホテルに泊まりに行って『あなたホントに予約したんですか?』とか『このお金本物です?』言われたら『いや、そこは信頼してよ』となりますが・・・

基本全部を信じちゃうのも怖いですよね。

だから逆のパターンもあり得るんです。『あ、この人はストーカーだ』とか『奥さん殴ってそうな顔してる』とかもホテルマンの判断で信じちゃう場合があるわけで…

こういう判断はあいまいだし危険ですよ。

だからホテルマンは断っちゃうべきだと思うんですね、『こんな感じの女性が来たら教えてくれ』とかも『すいません、すべてお断りしております』と。

ドンピシャでホテルマンの機転が利いて、お客様が感謝する場合もあるとは思うんですが・・・

現に今回の犯人の動機は「山岸さんの機転」がきっかけだったわけですし。『先日もいらっしゃった片桐瑶子様です』の一言は本当に鳥肌立って震えましたから。

必ずしもプラスというわけではないということですよ。

と、言いつつも。

全部がマニュアル通りにしか受け付けない、となったらちょっと寂しいですしね。

でも将来的にはAIがホテルマンの代わりとなり、『いってらっしゃいませ』も『おかえりなさいませ』も電子音になっている可能性もありますし。

テクノロジーの進歩で私たちの世の中は便利になっていく半面、

こういった人間らしいサービスがなくなっていく…

人類は大きな転機に差し掛かってるのかもしれませんね・・・

ってこれ何の感想??




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