このページに書いてあること
小説「万能鑑定士Qの事件簿 2」のあらすじと、読んだ感想です。
鑑定士「凛田莉子」が持ち前の知識と観察眼を駆使して事件を解決する推理小説、
万能鑑定士Qの事件簿 II(2)
「Qシリーズ」とよばれる松岡圭祐さんの作品で、漫画化や映画化もされるなどの人気小説です。それの第二巻となります。
まず感想を言わせていただくと、
「絶対にありえない」とは言えない「ありえない話」がおもしろい。一作目よりもスケールも面白さもマシマシでした。
でらの評価 | |
---|---|
ハラハラ度 | (2.5) |
読みやすさ | (4.0) |
おもしろさ | (4.0) |
おすすめ度 | (3.5) |
万能鑑定士Qの事件簿 IIあらすじ
『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽礼が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凛田莉子の鑑定がある!パーフェクトな偽礼の謎を暴き、未曾有の危機から国家を救うことができるのか!?。
出典:AmazonBOOK 内容より
ネタバレありで感想
ハイパーインプレになるとはどうゆうことなのか。
その辺の参考書を読むよりこっちの方がわかりやすいですね。
ちなみにハイパーインフレとは通貨の価値が減少し、お金としてほぼ機能しなくなってしまう、というような感じです。
今の日本でハイパーインプレになることは考えにくいですが、「絶対ない」とは誰も言えませんから。
この「日本のスーパーインフレ化」というのが非常に新鮮でおもしろかったです。
あらすじにもある通り、もしコンビニ弁当が数万円なんて金額になったら…そしてその弁当が某コンビニのようにご飯の底上げなんてされていたら…確実に暴動が起きるでしょうね。
リアル米騒動ですよ。
これを読んで「ドルに両替しておこうかな」と思った方は少なからずいると思います。円ばかりを信用し過ぎるのも良くないってことですね。
そして今回、凛田莉子に関してより深く知ることができたのが嬉しかったです。
沖縄に帰ったところで、「犯罪現場に向かうところで怖がる」といった表現は、より人間性が見ることができました。
また、沖縄のノンビリした感じが伝わる登場人物も良かったです。
読んでいてホッコリ。沖縄だけのストーリーとかあったら読みたいです。
また、今作で一番引き込まれたのは真犯人に関してです。全く疑ってなかったので、真相がわかり始めるあたりで本から離れられなくなりました。
犯人としてはよく考えた作戦だったと思います。もし偽札じゃなかったとバレても、そのあと行動しなければよいわけで…
逃げ道を作りつつ大胆なことをやってのけたのは、犯人のレベルが高かったのを表していましたね。
ただ、もっと他に方法なかったのかと納得しずらい部分もありました。
いくら通貨の価値が暴落したとはいえ、その手元にある在庫をどうにかするというのは…結構無理があるような気がしました。
そして専門家が見たり、機械を使ったりしても「字を付け足したお札」は見破れないものなのでしょうか?
色々専門的な解説があり、それゆえに判断できなかった、との説明がありましたが、、、
しかし、うーん。お札に後から書いた文字が判明できないなんて…
ちなみに今回の事件の罪はどの程度になるのでしょうか。日本は大混乱しましたが、人を傷つけてはいません。うーん、気になります。
そして最後にこれだけ言わせてください。準主人公というべき雑誌記者の「小笠原」です。
一作目では「中途半端」という感想でした。二作目ではどうだったのか。
そうですね。いてもいなくてもどっちでもいい感じでした。
雑誌記者という立ち位置も今後何ができるかわかりませんし。やってることも、全て空回りと言いますか…
とりあえずイライラしました。
まとめ
今回は小説「万能鑑定士Qの事件簿 II(2)」の感想をネタバレありで紹介しました。
- 「絶対にありえない」とは言えない「ありえない話」がいい
- 一作目よりも読み応えあり
- 次はないぞ、小笠原
前回の「力士シールの謎」が明らかになり、事件も日本を揺るがすほどスケールが大きくなりました。
一作目よりも数倍楽しめましたし、凛田莉子の新しい面も見れたのも良かったです。
スリリングな展開を求める読者には物足りないかもしれません。逆に落ち着いて読みたい方にはおすすめできる作品です。
小説の感想記事はこちら
そんな夫はもう一回殺してしまえ。小説「殺した夫が帰ってきました」感想