「レインマンが女のコの足首を切っちゃうんだ。でもミリエルをつけてると狙われないんだって」
そんな噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。
この素晴らしすぎるほど一瞬で読者の興味を鷲づかみしてくる「あらすじ」。そして、鷲づかみした手を決してはなさい引き込まれるストーリー。
握力200ぐらいあるんじゃないですか?この作者は。
凄惨な事件ですがグロさはなく、それよりも刑事のコンビが最高に良かったのでかなり好みでした。
これは絶対にシリーズものにすべきです。
『噂』ネタバレあり感想
名島さん、かわい過ぎませんかね?コラ。
ついヤンキー口調になってしまうほど、子持ち刑事の名島さんがかわいいんですよ。
捜査会議で発言できないところもかわいいし、バナナシュートの練習をしているところもかわいい。
そしてその下につくオジサン刑事の小暮さんもいいんですよね。
小暮さんのほうが刑事歴は長いけど、名島さんのほうが階級は上。でもどう見ても小暮さんのほうが上司っぽい。
この設定は意外と見たことがなく、かなり新鮮でよかったです。
見た目で判断して、若い女性刑事の名島さんをナメくさってるおっさんとか出てきましたけどね。
それを小暮さんが「部下っぽく」することで、相手のおっさんが『え!?こっちの女のほうが上司なの?ヒエー』ってなっているシーンとか。
ホント、おっさんて最低ですよね。
とにかくこの2人には幸せになってほしいし、それぞれの子供と4人で新しい幸せをつかんでほしい。そう思いましたね。
と思ったら菜摘。お前何してくれちゃってんだよ。
夢の国の手前で、一気にハンドルを切って海に突っ込むような終わり方。
菜摘の流行らせたかった言葉『キモサブ』があそこで生きるとは・・・
かんたんに解説すると・・・
あの女性社長を殺したのは、今回の犯人である「西崎の最後の犯行」と処理されたように書かれていました。
しかし、実際は菜摘たち数名が行った犯行だったわけです。
足の処理に関して「ミートパイのお肉の機械に入れちゃえ」ですからね。
これは確実にバレますよ。明らかに今までの西崎の犯行と違うでしょうし、高校生だから現場に証拠も多分残してる。
こうなったら小暮さんは刑事を続けるのが難しくなるでしょうし、何より大切な娘が刑務所送りなんて・・・
そうなってしまうと続編は厳しいでしょう…
小説としては、あのどんでん返しは最高でしたし、
しかも最後の一行であの切れ味ですからね。
ミステリ作品としてはホント素晴らしいのに。
あれは西崎の妄想?
この小説『噂』は「サイコ・サスペンス」というジャンルでしたが、犯人の西崎はその名に恥じないサイコパスぶりを発揮してくれました。
彼の性癖は「23センチ限定の女性の足」。
世の中にはいろいろな性癖の方もいらっしゃるので何も言えません。ただね「体はいらない。足だけでいい。だから切っちゃいます」となると…
誠に遺憾です。バキバキにサイコパスです。
自分勝手極まりないですから。同じ男から見ても嫌悪感がスゴイです。
ただ一点気になったのは、作中で「西崎とサキが同棲しているようなシーン」がありました。
あれは西崎の妄想の世界、ということでしょうか?
それとも過去の同棲していたころの回想シーン、ということでしょうか?
どちらにしてもサイコパスなことに変わりはないのですが…気になりました。
しかも事件解決後に西崎の部屋から「足ばかりを撮影した写真集」が出てきたそうですからね。それを見た名島さんがキレたとありました。
名島さんは被害者たちのことを思ってキレたのだと思います。
正義感の塊のような人ですからね。
だからこそ、今後も小暮さんと名島さんでバディを組み、
プライベートでは再婚して家族4人となって幸せになってほしかったです。
ホント菜摘。お前何してくれちゃってんだよ。
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