綾辻行人さんの代表作のひとつ『霧越邸の殺人』を読み始めました。
この記事では 上巻を読んだ時点でのおさらい と、下巻に向けての考察(ネタバレなし) をまとめています。
「霧越邸の殺人が気になるけど、下巻をまだ読んでない」という人や、
「霧越邸の殺人を読んだけど、実はこんな風に思ってた」という人に向けて書きました。
上巻のおさらい
まずは物語の流れを整理しましょう。
・遭難しかけた劇団「暗色天幕」の劇団員たちが、不思議な館=霧越邸を発見
・館の中では、劇団員の名前と同じものが次々に見つかる
・そして劇団員の一人「榊」が、北原白秋の詩に見立てた方法で殺されてしまう
上巻のラストで一気に不気味さが増し、ここから本格的な「クローズドサークル」が始まる雰囲気になっています。
下巻に向けた考察(ネタバレなし)
正直なところ、考察と言っても上巻だけでは核心部分は全く見えません。
しかし、いくつか「もしかしたら…?」と感じるポイントがあるので、考察をまとめてみました。
霧越邸の主人は忍冬先生?
話の序盤から登場した忍冬先生。
実は彼が本当の「霧越邸の主人」白須賀秀一郎ではないか?という考察です。
・医者として登場する的場先生よりも、忍冬先生の方が不自然に浮いている
・あの雪の日に遭難しかけたこと自体も怪しい
まず、小説などの同じ舞台で「医師が2人」出てくることが妙じゃないですか。ひとりで事足りるのに、2人はちょっと多い。
そして雪の日に遭難して『あ、あの家見てみたかったんだ。行ってみよう』もおかしい。そんな人いますか?
しいて言えば話に出てきた白須賀があまり登場しない点も気になります。
白須賀に成りすましている人は本当の白須賀秀一郎ではないため、あまり登場すると「本人ではない」とぼろが出るからだと思うわけです。
よって、実は「館の主人=忍冬」であり、たぶん医者という肩書きも偽装です。
槍中=白須賀の死んだと思われている息子?
霧越邸に散りばめられた、偶然とは思えないそれぞれの名前と関連性。
これが偶然じゃないとすると、誰かが仕組んでいたことになります。
それが槍中秋清であり、「白須賀の死んだと思われている息子」という考察です。
・偶然とは思えない名前のリンク
・槍中が霧越邸にある骨董品について詳しすぎる
まず、この屋敷に登場した名前と関連性のあるものの登場ですが、やはりこれは偶然とは言えないでしょう。
無理やり感があるものもありますが、明らかに仕組んでないとできないような名前とのリンクも出てきます。
それが「名望奈志」です。
彼の名前は【本のタイトルの1文字目を連続して読む】というところで出てきましたが、これが偶然はありえないでしょう。
・名を呼ぶ時に
・望郷の星座
・奈落に涌く泉
・志操の檻
この仕掛けを成立させるには、事前に霧越邸と劇団「暗色天幕」に精通している者がいることになります。
それが槍中秋清です。
槍中がやたらと骨董品に詳しすぎるのも怪しいです。
なんでも鑑定団かな?
ここまでくると、劇団を霧越邸に導いたのも槍中だった可能性すら出てきます。
よって、実は槍中は白須賀の息子であり、計画に深く関わっているのでは?
あの霧越邸は未来の劇団員の姿だった?
一番推したい考察がこちら。
霧越邸は「現代と未来の融合した場所」ではないか、という考察です。
・今の劇団員=将来の姿が邸の中に投影されている可能性
例:白須賀は鈴堂、鳴瀬は甲斐、深月は美月 …など対応しているのでは?
・未来の姿が存在しない人=死んでしまう可能性がある?
先ほども書きましたが、明らかに「偶然」では片づけられないところが出てきていますし、深月に関しては顔も一緒。
これはもうフィクションの領域で考えないと辻褄があいません。
「この霧越邸の中だけは時間の流れが違う」とか。
霧越邸の不愛想なおばさんの名前は「悦子」、劇団員の希美崎蘭の本名は「公子」。
なんか微妙にリンクしてるのが気になりませんか?
この考察が正しければ希美崎蘭ちゃんは生き残りますね。
まとめ:『霧越邸の殺人』の下巻はどうなる?
果たして真相はどうなるのか――。
下巻を読み終えたら、改めて答え合わせをしてみたいと思います。
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