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そんな夫はもう一回殺してしまえ。小説「殺した夫が帰ってきました」感想

ブックレビュー読書感想文
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このページに書いてあること

桜井美奈さんの小説「殺した夫が帰ってきました」を読んだ読書感想文です。

帰ってきた夫は殺されそうになったことを「覚えている」のか「忘れている」のかぐらいの話かと思いきや・・・

真実が明らかになるにつれて全く予想しなかった側面が見えてきて錯乱状態になりかけました。

小説「殺した夫が帰ってきました」の感想レビュー

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

そんな夫、帰ってきたらもう一回殺してしまえ ──

読み始めてすぐにそう言いました。

もう最初からずっと気に入らない感じの話だと思っていたんです。何だかまともな登場人物がいないというか。

まともに仕事もせず、気に入らないことがあればDVする夫。

偶然を装ってストーカーしてくるオッサン。

子供のことを愛さず「役立たず」「産まなきゃよかった」と暴言を吐く母親。

クズの日本代表を決める予選会場ですか?ここは。

こんなクズばっかりだと読む気も失せるし、何より可哀想で読んでられないわけですよ。

特にDVしてた夫。

そもそもですけど。自分より弱い相手を傷つけるとか最低ですからね。いや、軽い気持ちで言っている訳ではなく。もうシンプルに。ダメだろ。

自分よりデカくて筋肉もあるやつから「気に入らないから」って言われて殴られたら嫌でしょ?

そしてサラッと出てきてキレそうになったのが、

【突発的にお金が必要になって自分の友人に茉菜を一晩売った】

って…こういうのが本当にキツい。やめてくれ、こういうの。

もうそんな夫、マジでもう一回殺してしまえ。

と荒ずんだ心にようやく出てきたオアシス。

親切にしてくれた松木さん、友人の寧々ちゃん。大切にしてくれた匡人くん。

ああ、辛すぎる砂漠に出てきたオアシス。やっと茉菜の幸せな部分が見れるのか。

と思いきや数ページ後には「義兄に無理やり抱かれた」とか、「友達がDVされて流産した」とか。

クズの日本代表を決める本選が始まったんかい。

もうそれ以上読みたくなくて、コタツでふて寝しました。



まあでも気になるので続きを読みますよね。そしたら一通の電話が。ここからまさかの超急展開で寝不足確定。

「夫死んでたんかい」からの「じゃあお前別人かい」のターンへ。

夫だと思っていた人物の正体は、和田佑馬。そんな佑馬に連れて行かれた先で松木さんとの再会。

そして茉菜は寧々で、茉菜は愛だった。

読み始めた時に想像してた展開とは全く違う展開。夫も別人だったし、妻の方も別人だったと。

ただ、自分としては「ちょっとホッとした」ところもあったんですよね。

いや、もちろん愛も茉菜も辛い思いをしたのは変わらないんですけど。それでもDV夫はちゃんと死んでた訳だし、佑馬も悪い奴ではなかったし。

何より愛が前を向けていること。これが一番です。

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ただ結末として愛は警察署に向かった訳ですよね。

話の流れで愛は罪を償うために警察署に向かったようですが、罪状って何なんでしょう?

殺人に関与していたのは茉菜だった訳で愛は関係ないし、茉菜が死んでしまった理由も大地震による災害。

仮に愛が関わっていたことが明らかになっても、それは罪人として裁くことではないですよね?

愛の言葉を信じれば茉菜が死んでしまったのは事故だったわけで。そうなると可能性としては別の人間になりすましていたこと?

本来ならば茉菜が亡くなった時点で届けなくてはいけなかったのを届けなかったから?

その辺りを考えると、きっと大きな罪にはならないんじゃないかと素人としては思う訳です。

大きな罪にはならないにしても逮捕されたら仕事はクビになるでしょう。でも最後に発した佑馬の一言は「愛のことを待っている」ってことだと思います。

一生分って言っていいぐらい辛い経験をしてきた愛。これで彼女が幸せになれなかったら…

愛、君の前世は一体何をしたんじゃ。。

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