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【ネタバレ感想】シンメトリーのあらすじ紹介とレビュー|小説

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このページに書いてあること

小説「姫川玲子シリーズ」初の短編集となる小説「シンメトリー」のあらすじと、読んだ感想です。

人気の警察小説「姫川玲子シリーズ」初の短編集となる小説、

「シンメトリー」

映画やドラマ化されるほど人気のあるこのシリーズ。その中では3番目となる作品です。

まず感想を言わせていただくと、

短編集として読みやすさは抜群ですし、姫川玲子の良さも出ています。ただやはり内容は浅いものが多く、読みごたえはないかもしれません。

でらの評価
おもしろさ (3.0)
読みやすさ (4.0)
衝撃度 (2.0)
おすすめ度 (3.0)

シンメトリー 各あらすじ

東京

玲子はかつての先輩刑事「木暮」の墓参りへ。そこで彼と担当した昔の事件を思い出す…

6年前、ある高校で発生した女子高生転落事件。

現場に残された被害者の指紋は不自然で、2人は自殺か他殺か、またはそれ以外の可能性を探ることに。

そこで木暮は玲子にも秘密にしていたことを打ち明ける。

過ぎた正義

過去に発生した2つの事件。その容疑者たちが立て続けに謎の死を遂げた。

監察医の國奥から『何者かの意思が感じられる』と聞いた玲子は2つの事件を調べ始める。

そこには2つの事件の両方を捜査した警部補がいた。玲子は彼に会いに行くことに。

右では殴らない

相次いで病気で亡くなったと思っていた男たちから違法薬物が検出され、玲子は殺人事件として捜査を始める。

亡くなった男性たちの携帯電話のメモリーには、登録名は違うも同じ番号が登録されていることを知る。

その番号から玲子たちは17歳の女子高生にたどり着く。彼女と男たちの関係は?

シンメトリー

JRの元駅員の男。彼は昔駅員として働いていたが、彼の目の前で列車の脱線事故が発生してしまう。

親しかった女子高生を含む100人以上の犠牲者を目の当たりにする。また自身も右腕を失う重傷を負ってしまう。

脱線事故を起こした男は短い刑期で出所となり、反省の色も見せていない。

元駅員の男は復讐を誓うが…

左だけ見た場合

ある男が殺される時間が発生。玲子は同じく女性警官と組み事件を捜査することに。

その後、その男には「超能力がある」という証言が。しかし玲子はそんなことは信じようとしない。

玲子は被害者の過去の交友関係を探っていき、一つの真実にたどり着く。その時驚愕の事実が。

悪しき実

あるマンションで首を絞められた遺体が発見される。またその発見者である女性は姿を消していた。

玲子の班はその女性を捜索を始め、すぐにその女性を見つけ出す。

彼女に何を聞いても遺体については語らず「自分が殺した」と証言する。しかしそれが嘘だと玲子は真実を探し出そうとする。

手紙

出所した元犯人から手紙をもらった玲子は、その相手に会いに行くことに。

それは玲子が過去に逮捕した犯人からの手紙だった。そこで玲子は過去の事件について語りだす。

あるOL女性が殺された事件。なぜ犯人は玲子に手紙を送ってきたのか。また、その内容は?

ネタバレありで感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

やっぱり物足りないですね…ストロベリーナイトとソウルケイジを読んだ後としては、全てにおいて軽過ぎました。

短編なので仕方ないのですが、解決までが異様に早く、玲子の勘が良すぎて楽しめない…

しかし、のめり込める作品もありました。

個人的には「過ぎた正義」と「シンメトリー」は好きでしたね。これらは是非長編作品として読みたかったです。

共に「犯人がクズ過ぎる」という共通点があり、それに対して「法では許されていない復讐」を取り扱っています。

このような警察小説なんかを読むと必ずぶち当たる事柄ですね。

わたしもこの手の小説を読んでいて『そんな犯人逮捕なんて言わないでやっちまえ!』と心荒ぶる時があります。

実際そのような対応をした犯人に対し玲子はどう思い、どう行動するのか。それがわかるファンには欠かせない話でした。

小説「シンメトリ―」感想ネタバレ:姫川玲子シリーズ初の短編集

なお、4話目の短編「シンメトリー」の犯人が被害者を真っ二つ(シンメトリー)にした理由。

それは自身の片腕が無くなってしまい、アシンメトリー(左右非対称)になってしまった。それゆえ、シンメトリー(左右対称)というものに執着していた、ということでしょうか。

でら
でら
事故を起こした男を殺した際に笑っていた犯人。事故で体以外も壊れてしまったのかもしれませんね。

また個人的に好きだったのは「右では殴らない」。

この話は姫川玲子の魅力前回でしたね。

シンプルにブチギレてました。相手の女の子は漏らしてしまいましたからね。

私もきっと漏らすと思います。

それでいて壁を殴った後に急いで医務室へ行き半べそになっているなんて…相変わらずカワイイです。

今回登場しなかった井岡君がこんなところを目撃したらなんて言っていたでしょう。

『玲子しゅにぃ~ん、ワシも殴ってぇ~』とか言っていたかもしれませんね。

私もきっと言うと思います。

また、実はこれ本を読んでいるときには気づきませんでしたが、この小説のタイトルがまさに「シンメトリー(左右対称)」になっていました。

  • 東京
  • 過ぎた正義
  • 右では殴らない
  • シンメトリー
  • 左だけ見た場合
  • 悪しき実
  • 手紙

シンメトリー(6文字)を中心として、上下が2文字・5文字・7文字のタイトルになっていましたね。

確かに読んでいて「右では殴らない」と「左だけ見た場合」はちょっと変わったタイトルだなと思っていましたが…

気付いた方はいらっしゃいましたか?

まとめ

今回は小説「シンメトリー」の感想をネタバレありで紹介しました。

短編集を読んで思ったことは、やはり姫川玲子シリーズは重い話が合っている気がします。

精神にもきますが、それも含めておもしろいのがこのシリーズです。

他の姫川玲子シリーズの感想などをネタバレありでご紹介しています。お時間ある方は是非ご覧ください。

姫川玲子シリーズ 読書感想文はこちら

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