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仕事をサボって読んだ小説「ノワール・レヴナント」の感想

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このページに書いてあること

浅倉秋成さんの小説「ノワール・レヴナント」を読んだ感想です。

4人の高校生が不思議な能力を得て、不思議な経験をしていく群像青春ミステリー小説、

「ノワール・レヴナント」

感想を一言で言うなら・・・

登場人物、ストーリー、書き方…すべてが面白すぎた超良作。

サボって会社のトイレで読んでいましたが、出れなくなるほどのめり込み、とっさに仮病を使ったほどです。

好みという意味では人生に読んだ小説のTOP5に入ります。

小説「ノワール・レヴナント」レビュー感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

いきなり持論なんですが、小説を読むとき、そして映画やドラマを見るとき、

一番重要な部分だと思っているのが「登場人物」です。

登場人物が好きになれなきゃ面白くない。逆に言えば、ストーリーが大したことなくても「登場人物」さえ最高であれば、どんな話でも面白くなる、と俺は信じています。

で、この小説「ノワール・レヴナント」、

どこが一番良かったか?と聞かれたら、俺は「登場人物である4人の高校生」を選びますね。

それぞれ個性もバラバラなのに、どのキャラクターにも好きになってしまう部分が。それだけでも面白いのに、それが混ざり合うとより好きになっちゃうという。

混ぜてより好きになるものなんて「ねるねるねるね」だけですから。

なので、そのキャラに合わせて感想を書きます。

「壊せる」高校生、葵さん

彼女は本当に不運で、それでいてクソがつくほど真面目。

親友の死のきっかけとなった男を壊してしまったことで、自分を責め続ける人生を選択した彼女。

いや、確かに男は悪いやつでまさに「クズ」でしたが、確かに人を「壊す」権利はないですからね。いくら親友のためとはいえ「壊す」のはよくないことです…

って思ってたけどあの男が復活した後の清々しいほどのクズさね。数年ぶりに目を覚ましたらいきなり「抜いてくれ」ってね。

性欲のバケモンかよ何言ってんだ、こいつは。

こいつは壊しちゃっていいんじゃないですかね。じゃないとこの先また不幸に遭う女の子が出てしまいますからね。

葵さんが強い気持ちであいつを拒絶してくれて良かったです、ほんと。

そして最後に江崎に恋をしたと取れる葵さんのメッセージ。いいですね。恋って。

ただ君の惚れてる男はギャンブラーになろうとしてるんで。気をつけてね。

「聞ける」高校生、江崎

全然敬語も使えないアニメのキャラのようなやつでしたが、それでも周りのキャラの接し方が自然だったため、そこまで違和感を感じなかったのは良かったです。

読み進めていくうちに「ああ、こういうヤツいそうだな」と。小説の中でキャラが浮いてしまわなかったのは著者の力だと思いました。

実用的に考えたら彼の能力が一番欲しいですよね、予言。

確かに先が読めすぎてつまらなく感じてしまうのかもしれませんが。

でも朝イチの予言で「だからお前は出世できんのだ!」みたいな予言があったら確実に仕事行きませんからね。

・・・いやでも、予言で出てしまった時点で言われるのは「確定」なのか…

だめですね、行かなくても電話で怒られるパターンだ。

「読める」高校生、のん

いやー大好きでした、のんちゃん。

可愛いですね、言動が。さっちゃんに対する気持ちも真っ直ぐだし、度胸もある。そして特殊でユニークな能力。

のんちゃんのパートが一番読んでいて面白かったです。

ただ今回の事件で一番キツかったのはのんちゃんでしょう。

親しかった友達が孤独に火事で死んだ、って事実はかなりキツイです。

エピローグでお墓に行ったところは不覚にも涙しましたよ。

思いっきり仕事中でしたけどね、会社で。

ただ気になった点として、のんちゃんが英語や横文字をうまく発音できない、って設定は何だったのか?

あれが物語に大きく関連してくると思いきや、特になく…気になりました。知っている人がいたらぜひ教えてほしい。

「見える」高校生、大須賀駿

彼が一番「普通」でしたね、なので非常に感情移入しやすかったです。

他人が今日ついているかどうかわかる、という…ありがたみがあるような無いような、そんな能力。

最初読んだときはいい能力だな、と思いましたが、こんなのあったら気が気じゃないですよね。

仮に告白しようとしている友人の背中に「8」とかあったら『あ、こいつ絶対フラれるわ』と焦りますし。

仮にパーマかけに行こうとしている母親の背中に「8」とかあったら『待って、パンチパーマになる』と焦りますし。

しかしこれが「真壁弥生を幸せにするため」の能力だったとは…にくいですね。

しかもその弥生ちゃんも純粋でかわいい子なんですよ。

好きな男の子とデートできるだけで背中には「85」。それほど嬉しいってことです。

そして告白されて口にした『嬉しかったから……す、すごく嬉しかったから』という言葉。もうこの言葉を読むだけで泣けてくる。

こんな純愛があるなんて。どこにあるんですか。俺の周りには全く見当たらないんですが。

なお、この本を読む前にあらすじで、

僕たち4人を結びつけたのは、ある少女の死の謎だった。全ての偶然が必然に変わる群像青春ミステリ。
Amazon内容紹介より引用

って書いてあったので、読み始めたすぐに弥生ちゃんが出てきたとき『おいおい、この子死んじゃうんじゃねーだろーな!ふざけんな!』って焦りました。

なので彼女が幸せになってより一層嬉しかった私でした。

とにかくストーリーも特殊な能力も登場人物も。すべてが最高に面白くて一気に読み切った作品。

浅倉秋成先生、俺は決めました。

あなたの作品、今後も仕事をサボってでも読ませていただきます。




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