こんな方々のために書きました
- プロジェクト・ヘイル・メアリーの(下)を読んだ
- 上巻の考察が気になる
- 他の人の感想が知りたい
アンディ・ウィアーのSF作品「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の(下)を読みました。
ある宇宙生物により地球が滅亡してしまうことを防ぐため、宇宙にとびだった宇宙船「ヘイル・メアリー」。搭乗員のグレースは地球を救う方法を見つけることができるのか?というストーリー。
上巻を読んだ時点で、どんな結末になるかを考察・予想してみました。
今回はその予想が当たっていたかどうか、そして読み終わった後の感想です。
上巻の考察&予想をご覧になっていない方は是非ご覧ください。
私の愚かさがまざまざと書かれています。
プロジェクト・ヘイル・メアリー(下) あらすじ
人類の希望は、遥か11.9光年の彼方――。たったひとりの冴えた相棒と、謎の解明に挑む!
引用:Amazon内容紹介
上巻での考察とラストの予想
上巻の終了時点で、考察と自分の中で考えられるラストの予想をしてみました。ほとんど根拠はなく私の想像力を働かせただけのものですが、これにより下巻がより楽しめたと思います。
- アストロファージを創ったのはエリディアン?
- グレースは存在しないのではないか?
- エディリアンと全面戦争
- 地球が崩壊、人類は絶滅
- 舞台は宇宙じゃなかった
この5つに関して、順に答え合わせしていきたいと思います。
アストロファージを創ったのはエリディアン?
大ハズレでした。
エリディアンのロッキーも地球人と同じくアストロファージに悩まされていた宇宙生物の1人(?)でした。疑ってすいませんでした。
下巻では新キャラであるタウメーバが登場しましたが、タウメーバもある環境下で生まれた生物だったというわけでした。
ロッキーとグレースは最後に「他の宇宙生物がいる可能性」について話していましたし、きっといるでしょう。
グレースは存在しない?
これも恥ずかしことに大ハズレでした。
グレースはちゃんと存在していましたね。
彼の記憶が曖昧だったのと、いち中学校教師という設定から、このキャラの存在自体おかしくないか?と疑ってしまいました。これはフランス人が作り出したと言われる記憶を消す薬のせいでした。
そんな便利なものが出てくるとは。ちょっとズルいと思いました。
エリディアンと全面戦争
こちらもハズレです。
予想しつつも「こうなったら嫌だな」と思っていましたが、180度違う展開となりました。その嬉しさと予想を外した悔しさで複雑です。
結果的にエリディアンと共に生活をすることになったグレースですが、彼らがみんな友好的だったというのは奇跡だと思います。
逆に友好的でなかったら一緒に生活なんてできなかったでしょう。
地球が崩壊、人類は絶滅
こちらもハズレ。
180度違う、真逆の予想となってしまいました。地球はグレースの活躍により、アストロファージの脅威は去ったということでした。
しかしヘイル・メアリ―が地球を発ったその後は一切書かれていません。
個人的な想像では「地球滅亡の噂が広まり、各国間で資源確保のための戦いがあったのではないか」と思います。
グレースの成果が宇宙から帰ってくるかどうかはわからなかったわけですし、歴史上人間は常に争いをしてきました。
アストロファージの脅威は去ったかもしれませんが、地球で争いは起きなかったのか。それは分からず終いです。
舞台は宇宙じゃなかった
個人的に1番あり得そうだと思っていた予想。こちらも大ハズレです。
恥ずかしさを通り越し、これを考えたとき俺は精神錯乱状態だったのでは?、と疑うほどです。
グレースは何百年も仮死状態だった。エリディアンことロッキーは人間が進化した姿だった。グレースとロッキーが救おうと思っていた星は同じ星「地球」だった。
何を言っていたんだ、俺は。
ネタバレありで感想
この本の根底には「諦めたら終わり」というメッセージ性が込められていました。
アストロファージの脅威がわかった後もどうにかしようとした人類。そして宇宙で様々な困難に出会うも機転と努力で何とかしたグレース&ロッキー。
ある種、自己啓発本のようでした。
そして広大すぎる宇宙を舞台に、登場人物は人間、エリディアン、アストロファージ、タウメーバの4種という少数精鋭。それでいてあそこまで壮大だったのは、やはりストーリーの面白さだったともいます。
特に秀逸だったのは第一章。いきなり2体の死体が横たわり、第一章の終了時点で「ここは地球ではない」の始まり方。引き込み方がスゴイ。
思わず『うお、おもしろ』と声が出ました。
しかしまさかの予想した5つを全て外すとは思いませんでした。的中率0%。
占い師なら自分の水晶玉でお客さんにぶん殴られるぐらいの失態です。
これは色々疑い過ぎたかもしれません。読む前の心構えがすでに間違っていたように思います。
これは純粋な宇宙の旅でした。いい物語でした。グレースとロッキーの友情。ベタな話のようであり、ものすごく感動できる話でした。
まさかグレースが地球にも帰らず、死ぬこともなく、エリディアンの星で教師として生涯を終えようとしているとは…誰が予想できたでしょう。
最終章での「章」の表記が数字ではなくエリディアン語になっているのを見たときは震えました。
宇宙の世界に興味がある方や、物理学を専攻としている人には、物語のおもしろさとは別に楽しめるところがたくさんあったと思います。
私にはそれがなかったため、正直宇宙船内での奮闘については「ポカーン」な時間もありました。
専門用語の多さや、目まぐるしく変わるグレースとロッキーの対応についていくのがやっとで、かなり読み進めるのに時間を要した部分があったのは事実です。
しかしラスト100ページあたりからは手が止まらなくなりました。タウメーバの暴れっぷりにはさすがにハラハラです。
いい加減グレースを休ませてやって欲しいと何度思ったか。
しかも彼、いやいや乗せられていました。これが何気に一番驚いたところかもしれません。
まとめ
小説「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の(下)を読んで、上巻の考察と予想の答え合わせと、感想をお伝えました。
- 壮大な宇宙でのバディもの
- 「諦めるな」というメッセージ性
- 予想ができないストーリー
変に期待しすぎたせいで予想や考察はすべて外れましたが、おもしろく読めました。
他にも小説シリーズの紹介記事や感想も書いていますので、お時間ある方は是非ご覧ください。