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【ネタバレ感想】ソウルケイジのレビュー|小説

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このページに書いてあること

「姫川玲子シリーズ」の第二弾となる警察小説「ソウルケイジ」のあらすじと、読んだ感想を書きました。

竹内結子さん主演で映画化もされた小説「ストロベリーナイト」。その「姫川玲子シリーズ」の第二弾となるのが、

「ソウルケイジ」

警視庁捜査一課の警部補、姫川玲子が個性的な仲間と事件を解決していく人気シリーズで、2021年までに10作品続いています。

まず感想を言わせていただくと、

一作目に比べるとインパクトは小さいですが、読み応えのあるストーリーでした。テーマは「父性」。その行動に心がグッとなりました。

でらの評価
おもしろさ (4.0)
グロさ (3.5)
衝撃度 (2.5)
おすすめ度 (4.0)

ソウルケイジ あらすじ

多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに?なぜ手首だけが残されていたのか?姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる―。
出典:AmazonBOOK 内容より

ネタバレありで感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

ミステリーが好きな方はきっとすぐに「手が見つかった=殺された」とは思わなかったですよね?

そうゆう意味では先が読みやすい一冊でした。

ちなみにタイトルの「ソウルケイジ」。意味は「魂の檻」という意味です。

一作目のストロベリーナイトはかなり異色な事件で、残虐性も強く、さらに姫川玲子シリーズの一作目ということもあり、かなりインパクト強めの作品でした。

それに比べると「ソウルケイジ」はインパクトはかなり弱かったと思います。

ただその分1つのテーマが際立っていました。それが「父性」。

父性とは「家庭において父親に期待される役割」のことです。

時代や国によって変わりますが、一般的には「身体的にも金銭的にも精神的にも家族を守る」という認識です。

借金を返済するために自殺した父親。

自分の事故のせいで病気になった息子と、それに重なった少年を助ける父親。

被害にあった娘のことを想って復讐したいと思う父親。

仕事のために家族にかける時間が少なく自分を悪く思う父親。

生き方も散り方も人それぞれでしたが、誰もが皆子供のことを強く思っているところは共通しているように感じました。

この本は自身が「親かどうか」というところで感じ方が変わりそうです。

私自身に子供はいないので「父性」はわかりませんでしたが、自分の父親のことを考えて胸が少し熱くなりました。

小説「ソウルケイジ」誉田哲也ネタバレありで感想レビュー

一作目も少しだけ登場しましたが、今回は玲子と同じ班の日下が活躍していました。

玲子はそもそも「過去の犯人と似ているので苦手」という日下からしたら完全なとばっちりでしたが、感覚的に合わない人ってきっと誰でもいますからね。

玲子は嫌っていましたが、私は日下警部補好きでした。

憶測ではなく事実のみを追求していく姿は誰にも「平等」ですからね。ただあそこまで細かいと確かに一緒に働く側はウンザリしそうです。

最後は少し距離の縮まった玲子と日下。今後も登場してほしいです。

そしてもう一人、登場したときに心の中で『キターー!!』と叫んでしまったキャラクター、井岡君です。

ストロベリーナイトの時に彼のファンになりました。

玲子の直接的な部下ではないので、まさか今回も出てきてくれるとは思いませんでしたが…これは嬉しかったです。

相変わらず掛け合いは読んでいて面白く、スルメを2人で食べてるシーンは今作のホッコリポイントだと思います。また駄菓子に関してのやり取りも好きでしたね。

「何言うてますの。ワシ、生まれは東京ですがな」
-ですがなって、知らないわよそんなこと。
引用:誉田哲也著「ソウルケイジ」

またみんなでウナギを食べに行くシーンで、「山椒を取ってくれ」と言われた井岡が『へへ、おかけします』と返しますが、

初対面の人にそんなこと言うやつ奴いますか?普通。

人との距離を近づけるのが上手すぎて「営業職に転職しろ」と思いました。

彼は一作目も二作目も玲子の相方を務めているので今後も登場するでしょう。今後が楽しみすぎます。

誉田哲也 ソウルケイジをネタバレありで感想レビュー

この手の小説を読むと、胸糞悪くなる人物が多く登場しがちです。

今回のソウルケイジでも登場しました。人を死に追いやったり、脅して女性に手を出したり…

そして私はいつも思います。「なぜこんなひどいことができるのか」と。

それに関して、本作で玲子はこんな風に言っていました。

愛情を知らずに育ってしまった人間の目は、もっと動きが鈍く、かつ凍えている。角膜で感情を遮断し、見えているものまで見まいとする。だからこそ、平気で非道な行いができる。
引用:誉田哲也著「ソウルケイジ」

なるほど。確かにそうなのかもしれないな、と。

だからといって納得はできませんが、それほど人は他の人の影響を受けて形成されていくんだなと思いました。

現に日下も言っていましたからね。

『子供に見せたくないような行いはすべきではない』と。

まとめ

今回は小説「ソウルケイジ」の感想をネタバレありで紹介しました。

一作目よりもインパクトに欠けるとはいっても、静かに熱い良作でした。

姫川玲子の周りのキャラが色濃くなってきてさらにシリーズにハマりました。

姫川玲子シリーズや、他にも小説の感想などをネタバレありでご紹介しています。お時間ある方は是非ご覧ください。

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