このページに書いてあること
長江俊和さんの小説「出版禁止 死刑囚の歌」を読んだ感想文です。
子供を殺した残忍な事件の犯人。その死刑囚の詠んだ和歌がキーとなるミステリー小説「出版禁止 死刑囚の歌」を読みました。
前作「出版禁止」は読んでいる側にとって頭を使う謎解き要素が多く、考察をしてしまうほど読みました。
今作も同様、わざわざ図書館でノートを開き、文字を書いて頭悩ませました。
メッセージが分かった時は、隣に座っていたおじいちゃんとハイタッチしそうになりました。
その考察に関しては、【徹底考察!小説「出版禁止 死刑囚の歌」ネタバレで考察&解説】と別のページにまとめました。
出版禁止 死刑囚の歌 あらすじ
幼児ふたりを殺した罪で、確定死刑囚となった男。鬼畜とよばれたその男、望月は、法廷でも反省の弁をひとことも口にしなかった。幼い姉弟は死ぬべき存在だった、とも――。本書の「編纂者」はこう書いている。「人の悪行を全て悪魔のせいにできるなら、これほど便利な言葉はない」。あなたには真実が、見えましたか?
Amazon内容紹介より抜粋
ネタバレありでレビュー・感想
ミステリー小説としては面白すぎませんかね、「出版禁止 死刑囚の歌」。
和歌をつかった「死刑囚のメッセージ」が分かった時は、本当に震えましたね。
このトリックを使った著者の長江俊和さんももちろんすごいんですが、この言葉遊びを考え出した昔の人もすごいですよね。
和歌の中に言葉を隠すという「物の名(もののな)」という技法です。
歌の意味や内容とは関わりなく、メッセージを入れる技法。また、物名(ぶつめい)という読み方もある。
ということで。
この「物の名」が面白かったので、自分でも簡単な和歌を考えて、メッセージを入れてみました。
甲子園 目指して球児 突き進む ボール追いかけ 汗を流して
とは言えど 行きたい外出 金曜日 あの子の姿 忘れられずに
記憶ある その仕草や目 手遅れに 怒られ気づく 冷まして気持ち
人生で初めて読んだ和歌です。この中にメッセージを入れました。
「出版禁止 死刑囚の歌」を読んだ人は分かると思います。ぜひメッセージを解読してみてください。
※メッセージの答えはここに記しておきます。
↓↓
甲子園 目指して球児 突き進む ボール追いかけ 汗を流して
とは言えど 行きたい外出 金曜日 あの子の姿 忘れられずに
記憶ある その仕草や目 手遅れに 怒られ気づく 冷まして気持ち
↓
こうしえん めざしてきゅうじ つきすすむ ぼーるおいかけ あせをながして
とはいえど いきたいがいしゅつ きんようび あのこのすがた わすれられずに
きおくある そのしぐさやめ ておくれに おこられきづく さましてきもち
↓
休日出勤、やめておくれ、マジで
出版禁止 社畜の歌 です。
ただ、小説の内容としてはキツすぎて苦手です。
「子供に対する虐待」プラス「高校生のいじめ」という【悪意】しか詰まっていない、この世の地獄みたいな内容が小説のベースですからね。
そんなもん誰が好むか、と声を出したくなりましたが…それでも読んでしまうのだから引き込まれてしまったんでしょうね。その【悪意】に。
結局わからなかった謎
1つだけどうしてもわからなかった「謎」がありました。
それはいじめを苦に自殺してしまった望月今日香が残したセリフの意味です。
そうだよ、見下しているよ。あなたのこと……。ずっと憐れんでいた
引用:長江俊和 「出版禁止 死刑囚の歌」 新潮文庫
これはどういう意味なんでしょうかね?
望月今日香は「ちょっと空気読めないタイプの女性」って感じで書いてありましたが、「こんな風に言ったら相手はどう思うか」はわかる頭の良い子だったように思いました。
となるとこれは本来の意味通りではない。逆に相手を「叱咤激励するため」にも取れるんですが…
うーんわかりません。
この謎以外は一通り考察しましたので、ぜひこちらも読んでいただけたら嬉しいです。
「出版禁止 死刑囚の歌」は電子書籍でも読めます
「出版禁止 死刑囚の歌」の感想を書きました。こちらは紙の本以外に電子書籍でも読むことができます。
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