このページに書いてあること
綾辻行人さんの小説「時計館の殺人」を読んだ感想文です。
綾辻行人さんの人気長編推理小説「館シリーズ」。
今回はその第5弾のとなる「時計館の殺人」の(下)を読みました。
今作は館シリーズ初となる上下巻の作品です。※新装改正版の文庫本
ということで上巻を読んだ後に自分なりの考察をしてみました。同じく考察された方や、気になる方はまず先にをご覧ください。 こちら
そして今回上下巻を読み、その感想と自分の考察の答え合わせとなります。はたして考察は当たっているのか、それとも大恥をかいてしまうのか…是非最後までご覧ください。
でらの評価 | |
---|---|
読みやすさ | (3.0) |
衝撃度 | (3.5) |
トリック | (4.0) |
おすすめ度 | (3.5) |
時計館の殺人(下) あらすじ
館に閉じ込められた江南(かわみなみ)たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か? 凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章!
出典:講談社文庫 作品内容より
考察の答え合わせ
まずは私の考察した項目を紹介します。
- 伊波さんがイヤホンは盗聴器だ
- 過去の死者は伊波夫妻が行った証拠の隠滅?
- 由季弥は正常で、しかも永遠の身代わりがいる
- 樫、渡辺、内海が殺された理由
それでは順に見ていきたいと思います。
伊波さんがイヤホンをつけている理由
なんとこちら、当たっていました。伊波さんの補聴器のようなイヤホンは盗聴器でした。
盗聴器を仕掛けた場所と理由に関しては間違えていましたが…
永遠お嬢様が落ちた穴を掘った人物を知ろうとしているのでは?と思いましたが、彼女はすでに知っていたようです。
過去の多くの死者が出ていた理由
恥ずかしすぎて、穴があったら入ってそこから2度と出してもらえない。そのぐらい間違っていました。
証拠隠滅など考えすぎたことではなく、実際にみんな亡くなってしまっていたようです。
伊波さんにとっては非常に辛い場所だったはずです。世話をしている由季弥は彼女の娘「今日子」の死の原因を作ったかもしれない人物でしたし。
今日子の死が語られていなかった理由が気になっていました。それが「落とし穴に落ちたのは今日子だった」という事実はかなりの衝撃でした。
由季弥に対する伊波さんの態度
ここも盛大に間違えていました。気持ちいいぐらいです。
演技などではなく、由季弥は確かに狂ってしまっていました。しかしそれは想像とは少し違った狂い方でした。それに気づくなんて、さすがは鹿谷さんです。
そして「伊波今日子が永遠の代わりとして生活している」という推測でしたが…さっきの恥ずかしさを簡単に上書きできるほど恥ずかしいです。
姉のことが大好きな由季弥が気づかないわけないですからね。何言ってるんだ、俺は。
「樫」「渡辺」「内海」が殺された理由
微妙に推測通り、という感じでしょうか。
樫早紀子の殺害理由は私の考えた通りでした。また渡辺の「勘違いで殺された」というのも当たっていました。
勘違いの理由はメガネだから、と思いましたがそうではなかった。
しかし名前に関しては私も少し気になっていたのです。『同じ小説に登場する大学生に両方とも「涼」という漢字を使うことを。小説なのでいくらでも変えられますから。
カメラマンの内海に関しては外れてしました…
ただあの時点で「カメラの時間」に関して気づくのはほぼ不可能だと思います。これがわかった人はホントに頭いい人だと思います。
ネタバレありで感想
今回はトリックが素晴らしかったです。時計館という特徴をフルに発揮した最高のトリックでした。
ただやはり、私の中では「十角館の殺人」と「迷路館の殺人」は超えられなかったです。
その理由はズバリ、犯人の目星がなんとなくついてしまうこと。
上の2作では全くわかりませんでしたが、今作は若干読みやすかったように感じます。
時計館の管理人である伊波紗世子。彼女はやはり気になりすぎます。館を熟知しているであろう管理人であり、イヤホンや由季弥に対する態度。
そして何より「娘が亡くなっている」過去。物語に絡んでこないわけがありません。
しかしあれだけの犯罪。彼女1人というわけにはいかないと思います。よって彼女の他に旧館には共犯者がいると思っていました。
彼女の共犯となり得る人物は誰か?そこで年齢がヒントとなり、ある1つの推測が頭に浮かびました。
10年前に亡くなったとされる当時9歳の伊波さんの娘、今日子。生きていれば今は19歳で大学生ぐらい…
もしも今日子が生きているとしたら?そしてその今日子になりうる人物で、旧館にいるのは?
そうです…大学生の新見こずえ。実は彼女は伊波今日子、つまり伊波今日子=新見こずえの同一人物だったのです!
この考えに気づいた時、震えました。
しかもそれを裏付けるように、休館で死体を発見した新見こずえは犯人によって起こされますが、その際に犯人に殺されていません。これはもう決定ですね。
。。。と書いていますが、すでに読み終わっている方ならこの考えが間違っていたのはご承知の通り。調子に乗って書かなくてよかったです。
「時計館の殺人」は電子書籍でも読めます
綾辻行人さんの小説「時計館の殺人」は、紙の書籍のほか、各種電子書籍でも読めます。
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他にも「館シリーズ」の感想や、おすすめ小説をまとめた記事もあります。
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