こんな方のために書きました
- 小説「インビジブルレイン」を読んだ
- 姫川玲子シリーズのファン
- あらすじを知りたい
映画やドラマ化されるほどの人気を誇る警察小説「姫川玲子シリーズ」。その4作目となる小説「インビジブルレイン」を読みました。
長編としては「ストロベリーナイト」「ソウルケイジ」に続く3作目。今回も濃いストーリーが展開されました。
まず感想を言わせていただくと、これは人によってはかなり読みずらい作品かもしれません。また玲子の気持ちにちょっと『んっ?』と感じ方かもいたかもしれません…
今回は姫川玲子シリーズ初となる恋愛要素が絡む作品。さらにあの名物キャラクターも登場しました。
でらの評価 | |
---|---|
おもしろさ | (3.0) |
読みやすさ | (2.5) |
衝撃度 | (2.0) |
おすすめ度 | (2.5) |
インビジブルレイン あらすじ
姫川玲子が新しく捜査本部に加わることになったのは、ひとりのチンピラの惨殺事件。被害者が指定暴力団の下部組織構成員だったことから、組同士の抗争が疑われたが、決定的な証拠が出ず、捜査は膠着状態に。そんななか、玲子たちは、上層部から奇妙な指示を受ける。捜査線上に「柳井健斗」という名前が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだが…。
出典:講談社文庫 内容紹介より
ネタバレありの感想
今回は「姫川玲子という女性」にフォーカスした作品でしたね。事件としては物足りないですが、玲子ファンとしては楽しめました。
この姫川玲子シリーズ。魅力はやはり姫川玲子自身にあると私は思っています。もちろん警察小説としての面白さもありますが、やはり彼女自身の魅力が大きい。
そうゆう意味で言うと今回の4作目「インビジブルレイン」はまさにど真ん中作品だったと思います。なんせ玲子が恋をしてしまいますからね。
玲子が恋をしたのはヤクザの男。男らしく強引で、腕っぷしも強く頭も切れる。しかも192センチという身長の高さ。玲子自身が170センチという長身ですので、やはり長身に引かれた、というのもあるでしょう。年齢は17歳差の48歳。
まさに大人の恋愛です。しかし未熟でガキな私にはわからないのでしょう。玲子の気持ちに少し違和感を感じました。
互いに思う気持ちと、過ごした時間に違いがありすぎないかと。
彼らが過ごした時間は多くなく、実際体の関係もあったわけではありません(途中で終わっている)。それにしては牧田が刺されてしまったときの玲子の反応と彼女の気持ちに『そんなに好きだったのか?』と思ってしまいました。
しかしよく考えてみました。玲子は普段仕事に追われ、自分が好意を寄せる機会が少ない。さらに恋愛をしてきた描写がないので、彼女自身かなりレアな体験だった。だからこそ、その反動で短時間でもあそこまで燃えたのかも知れません。
また、個人的にはあの強引さが重要だったのかな、とも思います。
「俺は……今のあんたが欲しいんだ。それだけだ」
引用:誉田哲也著「インビジブルレイン」
こんなセリフ、本気で言える人。そして言われる人はそうそういません。それを192センチの男気100%の人から言われるのです。
これについて知人女性に「やはり強引さや男らしさに効き目があるのか?」ということを聞いてみました。
まぁ女性側が自分に自信がなかったりあまりアピール出来ないような人だったら強引に誘ってくれたらOKしちゃうってことはあるね。
なるほど・・勉強になります。
確かに玲子にはあまり恋愛経験が語られておらず、恋愛に関しては自信がないタイプなのかも知れません。
だから今回一緒にいる時間が少なかったとしても、牧田の強引さと強さに玲子は惹かれたのでしょう。
さらに言えば、今のままじゃあ菊田は絶対に玲子とうまくいかなそうです。
そしてその恋愛に絡めた玲子の仕草がとても可愛い。自分の年齢を言うときにモジモジ恥ずかしそうにするところや、1人で張り込みするシーンも可愛い。
個人的にこの本の玲子のセリフで1番可愛かったセリフは『てやッ』です。
今回は全体的に玲子が1人で行動していることが多く、まさに彼女の魅力が詰まった一冊でした。
読みづらい点
今回、どうしても読みづらく感じてしまったところ。それは暴力団組織に関するところです。
いくつかの組の名前が登場し、さらには「盃」「シノギ」「叔父貴」という言葉も。知らない方にはなかなか読みづらいものだと思います。
事件自体はそこまで複雑ではなかったものの、これらの点で少し苦労しました。
まとめ
今回は小説「インビジブルレイン」の感想をネタバレありで紹介しました。
今回の作品は賛否両論のようで、玲子の恋愛に対しプラス意見もマイナス意見もあるようです。もちろん嫉妬もあるでしょう。分かりますよ、私は。
他の姫川玲子シリーズの感想などをネタバレありでご紹介しています。お時間ある方は是非ご覧ください。