このページに書いてあること
小説「ガリレオシリーズ」の短編集となる「ガリレオの苦悩」を読んだ感想文です。
天才物理学者である湯川学が、己の知恵を使って事件を解決していく人気ミステリーシリーズ第4弾、
「ガリレオの苦悩」
一言で感想を言うとしたら・・・
ガリレオの苦悩 各あらすじ
落下る(おちる)
ある女性がマンションから転落し亡くなる。
自殺と考えられたが、彼女の部屋には不可解な部分もあり他殺の可能性も浮上し…
その後容疑者が現れるも、その者には彼女が落下時に「マンションの下にいた」という完璧なアリバイが。
刑事の内海薫は【人の手を使わずに人間を落下させる方法】があるかを湯川に相談する。
操縦る(あやつる)
ある元大学助教授の家の離れで火災が発生。
その日は助教授宅で彼の教え子たちを招待したパーティが行われていた。その教え子の中には湯川の姿も。
火災現場から助教授の息子の遺体が発見される。
警察は部外者に犯人の目処を立てていたが、湯川には別の考えがあった。
密室る(とじる)
湯川は旧友の経営するペンションを訪れる。
そのペンションでは10日前に宿泊客が谷底に落ちて亡くなるという事故が発生していた。
当時の部屋の様子がおかしかったことを不思議に思った湯川の旧友は、謎を解いてもらおうと相談する。
指標す(しめす)
一人暮らしの高齢女性が殺され、家に隠してあった「金の地金」が盗まれる事件が発生。また、女性の飼っていた飼い犬も失踪していた。
目撃者の情報からあるセールスレディが容疑者として浮上するも、事件は思わぬ方向へ。
失踪していた犬が死体となって発見されたからだ。
しかもその犬を発見した女子高生は、水晶の振り子を使って導かれたのだという。
撹乱す(みだす)
警視庁に「悪魔の手」と名乗るものから犯行を予告する一通の手紙が。
しかもその手紙には湯川に対する挑戦とも取れる一文が記されていた。
その後、建築現場から人が転落死した事件が発生。
「悪魔の手」はそれが自分の犯行であることを伝え、次の犯行を起こすのだが・・
ネタバレありで感想
コスパ最悪ですね。いやもちろん良い意味で、です。
とにかく読みやす過ぎて、一瞬で読んでしまいました。
世の中の小説がみんなこの本と同じくらい読みやすかったら、いくらお金あっても足りなくなります。
事件発生→容疑者浮上→湯川に相談→事件解決
一部例外あれど基本的にはこの流れで進んでいくので、パターン化されているといえばその通りなんですけど。
だからこそ読んでいて心地よい。まあ『警察何やってるんだよ』感は否めませんが・・
『こういうのでいいんだよ』と声が出ました。
短編集ってことでやはり1つ1つの「深さ」は物足りない感あるんですが、その分「なくてもいい部分がごっそり無い」というのが良かったですね。
個人的に長編で読みたかったと思わせてくれたのは「操縦る(あやつる)」でしたね。
車椅子の元科学者。血のつながっていない娘。その娘に肉体関係を迫るクズ息子。
そして「メタルの魔術師」ですからね。
「放課後の魔術師」かよっていう。「金田一少年の事件簿」の。
事件後の犯人の行動や理由。単純な展開ではなく裏もしっかりあって最後は感動させてくれるし。
短編にするのはもったいないようなストーリーに感じました。
逆に短編「撹乱す(みだす)」では、「悪魔の手」と名乗る湯川の敵が出てきてストーリー的には面白かったんですが・・・
自分の転落人生を全部人のせいにして、簡単に人を殺してるし、胸糞悪いわりに小物すぎる犯人で、面白さよりもイライラが余裕で上回ってしまいましてね。
何が「悪魔の手」だよ。「地獄先生ぬ〜べ〜」かよ。
刺さった一言
人の心も科学です。とてつもなく奥深い
東野圭吾「ガリレオの苦悩」文春文庫
短編「操縦る(あやつる)」で、犯人である恩師に
「昔は科学にしか興味がなかったはずなのに、人の心がわかるようになった」
と言われた後に湯川が答えた一言です。
「ガリレオの苦悩」は電子書籍でも読めます
東野圭吾さんの小説「ガリレオの苦悩」は、紙の書籍のほか、各種電子書籍でも読めます。
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お時間ある方は是非ご覧ください。
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