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小説「十角館の殺人」感想|あの衝撃の一行のおかげで…あたしゃ錯乱状態だよ

小説「十角館の殺人」感想|あの一行が衝撃的すぎて…あたしゃ錯乱状態だよ
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驚きすぎて混乱しました。一種の錯乱状態です。

綾辻行人さんの代表作「十角館の殺人」を読んだんですが、とんでもない衝撃の「あの一行」。

横になりながらダラダラ読んでましたが、気づいたら・・・

正座してました。

衝撃すぎて。こんなことあります??



「十角館の殺人」感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

まず先に言っておきたいことは、

推理小説が好きな人は絶対に読むべき「必見」の一冊です。

どんでん返し系の小説を読んでいて、あまりの衝撃に震えたことはありますか?

私は文字通り、本当に体が震えました、あの一言を読んだときです。

既に読んだ方々ならきっと同じ場面でしょう。

そう。『ヴァン・ダインです』のところです。

推理小説のおもしろさというのは、トリックの方法や事件の謎が明らかになったところだと思いますが、つまりそれは「どれだけビックリできたか?」ということだと思います。

その基準でいうならばこの「十角館の殺人」は最高の推理小説といえます。

一番の衝撃ポイントで私はビックリに気づけないほど驚きましたから。

いうなれば停止です、脳が一瞬停止しました。

いやいやいやいや・・

あれ、なんか間違っちゃってるじゃん。

そいつはヴァン・ダインじゃないよ。

モーリスだよ。

このように感じながら読んでいたのです。頭の中では理解できていませんでした。

こんなことを書いている私の気持ちを見て、本を読んだ方々はこう言うでしょう。

『モーリスって誰だよ』と。

その通りです。

そんなキャラは出てこないのです。

一種の錯乱状態なのです。その後、数ページ読み直したのは言うまでもありません。

でら
でら
彼が守須(もりす)くんだったため、モーリスと勝手に呼び名をつけてました…

なぜ私の脳がそんなことになってしまったのか。それはこの小説の秀逸すぎる2つの設定です。

登場人物のニックネーム

メインの登場人物たちにはニックネームがあり、物語の後半まで本名が出てきません。

それがこの小説の最大のトリックとなるわけですが、その使い方が上手すぎました。

まさに小説でしか表現できないと思います。

ここまで人気のある小説で実写化されていないということは、きっと実写化することができないから、ということだと私は思っています。(未読ですが漫画化はされているようです)

小説などを読んでいると誰もがするであろう「自分の頭の中に創られる登場人物のイメージ」。そのイメージがまったく別の人間と同一人物だった!っと知った時の衝撃。

これぞ推理小説の醍醐味であり、我々読者にとっての快感。

島と本土という2つの舞台

この小説の秀逸すぎる設定。それが、

「殺人事件のある島」と「日本側の本土」という2つの舞台で話が進行していくところ。

読者としてはやはり「島」のほうに注意が行きがちです。

タイトルにある「十角館」は島の方にありますし、事件も島で発生します。本土のほうでは発生しません。

ここで私がスゴイと思ったところは「本土のほうで結構大きな事実が発覚すること」です。

読者としては、その大きな事件で何となく「本土の役割は終了したな」と感じます。

そして注目度が下がるのです。

そこで再びメインの「島」のほうに注目して読んでいると…まさかの本土に犯人いた!ということがわかるのです。

完璧に著者の綾辻行人さんの手のひらでコロコロされました。




犯人の動機

読み終わった後に1点だけしっくりこなかったのは「犯人の動機」です。

トリックがあまりにも衝撃的だったため、勝手に動機もとんでもないものが用意されているのではないか?と期待してしまいましたが・・・

好きな女性のための復讐という意外とシンプルなものでした。

確かに犯人の気持ちもわからないわけではないですが…ただやはりあれは暴れすぎでしょう。

好きな女性のためと言ったって、あれじゃ自己中な犯罪者。

モーリス、おまえ最低だな。

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