このページに書いてあること
綾辻行人さんの推理小説「館シリーズ」の3作目「迷路館の殺人」を読んだ読書感想文です。
「十角館の殺人」「水車館の殺人」と続く「館シリーズ」3作品目、
「迷路館の殺人」
一言で感想を述べるとしたら、
とにかく驚く。こんな小説には初めて出会いました。本当に驚愕しました。
読んでみたいけどまだ読んだことがない、という方は絶対この先を読まないで「戻る」を押しましょう。
そして今すぐ買って読むことをおすすめします。
迷路館の殺人 あらすじ
複雑な迷路をその懐に抱く地下の館「迷路館」。集まった4人の推理作家たちが、この館を舞台に小説を書き始めた時、惨劇の幕は切って落とされた! 密室と化した館の中で起こる連続殺人。真犯人は誰か?
出典:講談社文庫 作品内容より
ネタバレありで感想
「小説を読んで驚いたランキング」というものがあるとすれば、私にとってこの作品が1位かもしれません。
作品の中の内容というよりは「この本自体」といいますか。
とにかくこの小説の作り方に驚愕です。騙され続けました。
それは「本の中に本が書かれている」という構成。
いわゆる「作中作」というものです。
恥ずかしながら「作中作」という存在自体を知らなかったので、同じように知らない方にも共有できるようまとめますと…
これが本当にうまく作られています。本が終わるとあとがきや出版社の名前まで登場します。
本当にそう思いました。そのぐらい違和感のない作り方なのです。
読み終わってから目次を見返すと確かに以下のように書かれています。
- プロローグ
- 『迷路館の殺人』鹿谷門実
- エピローグ
この時点で『なるほど、作中作ですか。』と気づけた方は、私からしたら天才です。全く気づきませんでした。
さて、推理小説を読んでいるとどうしてもやってしまう「読者の推理」。
前作の「水車館の殺人」同様、私が感じたことや推理した内容を少しだけ紹介します。
首を切った理由
まずは1人目の犠牲者が出た際に、首を中途半端に切った理由です。
これは私も「血を隠すためではないか?」と考えていました。
作中では鼻から出血がないかなど調べていましたが、その検査の後引っかかったことがあります。
それは「女性陣のアソコはなぜ調べないのか?」ということです。
いや、もちろんセクハラ的な意味合いではなくてですね。
今回は妊婦さんもおり、誰もそれを指摘しなかったことに強い違和感がありました。
結果的にこれは「鮫嶋先生の性別のカモフラージュのため」だったということだと思います。
もしここで【女性陣がお互いにトイレで確認しあう】ということになってしまうと、そこで鮫嶋先生の性別がバレてしまいます。
妊婦さんたちと鮫島さんがトイレに入っていきました、となれば男性だと思っている多くの読者からツッコミが入ってしまいますから。
それにしても先入観というのは怖いものです。鮫嶋先生が女性だったとは…
個人的に評論家と聞くと男性のイメージがあり、なにより鮫嶋という苗字が何だか強そうで…『シャハハハハ!』と笑いそうな…。
犯人は井野ではないか?
そしてもう1つ。
この事件の犯人は、宮垣の秘書の「井野満男」だと思っていました。
つまり宮垣先生の死に関してはまったく疑っていませんでした。
いくら病院の先生がいるとはいえ、メイクぐらいで死んだフリは難しいのではないかと思ったのが理由です。
そして井野が犯人だと思った理由は、彼が宮垣先生のゴーストライターだった。そして鹿谷角実は井野満男だ、と思ったからです。
自身の作品で地位を築いた宮垣を恨み、彼の凄さに気づかない弟子たちも恨んでいた、と仮説を立てました。
「年齢の割にしっかりしている」という描写もあり、彼には何かあると睨んだわけです。
結果はご存知の通り、全く当たっておらず恥をさらす形になりましたが…
「迷路館の殺人」は電子書籍でも読めます
綾辻行人さんの小説「迷路館の殺人」は、紙の書籍のほか、各種電子書籍でも読めます。
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他にも「館シリーズ」の感想や、おすすめ小説をまとめた記事もあります。
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